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【大阪天王寺の弁護士が解説】認知の訴え、調停とは?

【大阪天王寺の弁護士が解説】認知の訴え、調停とは?

婚姻外で子どもを妊娠したのに、相手方が認知をしていくれない場合どのような手段をとるべきなのでしょうか。

任意認知ができない場合には、認知の調停、審判、裁判を通じて親子関係を確認することができます。

認知をしておくことで、相続権や養育費などの権利行使を行うことも考えられるため、弁護士に相談をして早めに手続きを進めておくとよいでしょう。

(想定事例)


私は、2年前から交際をしていた男性の子どもを妊娠しました。交際していた男性は、今は大学生なので卒業して、就職するまで結婚は待ってほしいといわれていました。
男性は、最初は子どもについて責任を持つといっていたのですが、結婚はしてくれていません。
認知はするといっていますが、これまでの無責任な行動から、認知もしてくれるかわかりません。
将来の養育費が不安であるため、せめて認知と養育費を求めることはできないのでしょうか。

1 認知とは

認知とは、父または母が婚姻関係外において生まれた子を自分の子どもであると認める意思表示をいいます。
結婚をしている場合には、子どもの親子関係は法律によって判明する制度となっていますが、交際をしていたのみで、結婚をしていない場合には、認知によって親子関係と認めることが必要となります。

母親と子どもの場合には、子どもを産んだ事実によって当然に認知が発生しますが、
父親と子どもの場合には、誰が父親であるのかは当然に明らかであるとはいえないため、任意での認知を求めることとなります。

しかし、自分の子どもであるとわかっていても養育費の支払いなど責任を持ちたくないとして、認知をしないといったことがありえます。

民法787条は、子、その直系卑属、これらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起できることを規定しています。認知の訴えの規定ではありますが、調停前置主義によって、まず認知の調停申立てをすることとなります。
父親が認知届を提出すればよいのですが、任意での認知ができない場合には、認知の調停、審判認知、裁判認知といった流れを辿ることとなります。

2 認知調停の申立て

認知調停の申立ては、嫡出でない子とその血縁上の父親との間に、法律上の親子関係を形成することを目的とする申立てとなります。
認知があった場合には、戸籍上の結婚をしていない男女であったても、親子関係が生じ、出生のときにさかのぼって親子関係に求められる効果が生じることとなります(民法784条)。もっとも、第三者の権利を害することはできません。

認知の申立てはいつでもできますが、父の死亡の日から3年経過をしたときはできないことがあるため、注意が必要となります。

(1)申立人


・子ども
・子どもの直系卑属
・子ども又は子どもの直系卑属の法定代理人
をいいます。

子どもが未成年者であっても意思能力があれば、法定代理人の同意がなくても単独で申立てを行うことができます(人事訴訟法13条準用)

(2)申立先(家事事件手続法245条1項)


相手方の住所地の家庭裁判所
当事者が合意で定める家庭裁判所

(3)申立てに必要な書類


① 家事調停申立書 およびその写し
② 子の戸籍謄本
③ 相手方の戸籍謄本子の出生証明書の写し
④ 事案によっては当事者の血液型などの証明関係書類

(4)申立費用


収入印紙 1200円
郵便切手 家庭裁判所が必要とする費用
手続き中に、鑑定料が必要となることが多くあります。
10万円~30万円程度が必要とあることがあり得ます。

(5)手続きの流れ


第1回の期日は、1~2か月程度かかることがあります。
調停期日は、平日に行われます。1回の時間は2~3時間程度でそれぞれの待合室で交互に話し合いを行うこととなります。
当事者の合意ができ、正当な判断であった場合には、合意に相当する審判を行います。
家庭裁判所は、調査官調査、血液検査、必要な事実認定ができる程度の調査を行い、合意の正当性や調査を行います。
鑑定を行うこととなるでしょう。

審判に対して、異議の申立てがない場合には、審判は確定判決と同一の効力を有します。(家事事件手続法281条)。
申立人は、審判が確定した日から10日以内に、審判所謄本及び確定証明書を添付して、当事者の本籍地又は届出人の所在地の市区村長役場に、認知届を行うこととなります。

3 認知の訴えについて

(1)認知の訴えについて


認知の訴えとして、請求の趣旨、原因を記載して裁判所に訴えを行います。
身分関係の当事者が普通裁判籍を有する地又はその死亡の時にこれを有した地を管轄する家庭裁判所に専属します。
調停が行われた家庭裁判所でも自庁処理において、認知の訴えを起こすことができます。

(2)訴状について


・訴状
・添付書類、証拠書類
各戸籍謄本、当事者の血液型などの証明関係書類、調停での鑑定書など
・収入印紙 13000円
 予納郵券 各裁判所によって定める金額

訴状は裁判所に訴状を提出することによって行われます。人事訴訟では、裁判所は当事者が主張しない事実についても、職権調べをすることができますが、生物学的な父子関係が存在するかどうか、合理的に疑いのない程度に証明することとなってくることが多いでしょう。
訴状について、主張、証拠を添付していきます。
① 母親と父親との間で性交渉があったこと
② 父子での血液型、DNAなどにより、血縁上の親子関係が存在する蓋然性があること
③ 交際の経緯や子どもとの交流などの事情がないかなどを合わせて判断がなされます。

(3)鑑定

鑑定方法としては、DNA鑑定方法がとられることが多いでしょう。

(4)判決

判決が確定したときには、判決の謄本を添付して、戸籍の訂正の申請を行うこととなります。

4 弁護士費用について

認知調停、審判、訴えについては
着手金      33万円~
成功報酬金報酬金 33万円~
等がかかってくる場合がございます。

詳しいお見積りは事案によって算定させていただきます。

5 認知について弁護士にご相談を

認知については、養育費、相続のために準備しておくべきことがあり得ます。
認知についての弁護士に相談をしておくとよいでしょう。

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