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親権を取得できるか不安です。どうすれば親権を得ることができるのでしょうか。

親権を取得できるか不安です。どうすれば親権を得ることができるのでしょうか。

弁護士の回答

離婚をするに際して、親権を取得できるかについては、不安を感じられることがあり得るでしょう。そこで、今回のどのような場合に親権を取得できるのかを解説させていただきます。実際には個別の事案、夫婦関係、経済的状況などの一切の事情を踏まえて、子どものために誰が親権者となること子ども利益、福祉にかなうのかといった観点から検討されますので、弁護士を通じて、これらの事情をきちんと主張できるよう準備を行うことで親権を取得できる可能性を上げていきましょう。

1 親権とは何か。

 まず、親権とは何であるのかを確認しておきましょう。
 親権とは、未成熟の子が社会において成熟していくまでに子どもの監護、教育などを行うことができる権利と義務を言います。子どもが社会において生活をしていくために様々な権限を行使するものであると同時に、親権者となる者にとっては責任を負うものとなります。
 親権はあくまで子どもの福祉、子どもの利益のために誰のもとで監護、教育をしていくことがふさわしいのかといった観点から判断されるものであるということができるでしょう。

2 親権者の指定とは何か。

 日本では、離婚後に共同で親権を持つ、共同親権の制度は設けられていません。現在は、共同親権を持つ制度とする法改正、議論がなされていますが、2021年の時点では、離婚においては、父母の一方を親権者と定めなければならないとされています(民法819条1項)。親権者の指定をしていなければ離婚をすることができないこととなっています。

 親権者の指定について、当事者の協議が整わないときには、家庭裁判所が協議に代わる審判をすることができる(民法819条5項)こととなっています。

3 親権者となるのは大多数が母親?

 厚生労働省人口動態統計などをみると、離婚において親権者となった者の割合は、母親が80%を超え、父親は十数パーセント、複数の子を父母で分けあるといったケースが存在するといわれています。統計上のデータとしては、親権者が母親となることが多いことが事実といえるようです。では、なぜ親権者となることは母親が多いといった事態が発生しているのでしょうか。
親権者と決める際には、諸般の事情を総合的に考慮して決定されていくため、母親であることをもって直ちに親権者となるわけではありません。
しかし、親権者における考慮事情には
① 父母側の事情として
・父母のどちらが監護能力を有しているのか
・父母のそれぞれの監護体制は子どもの利益を図る形となっているのか
・子どものこれまでの監護を行ってきたのは誰か、監護の実績はあるのか
・同居のときの主たる監護者は誰であるのか
・子どもとの情緒的な結びつきが強いのはどちらか
・就労状況
・経済的状況
・生活状況
・子どもに対してなされた暴力や虐待の状況
・面会交流を許容しているか
②子ども側の事情として
・子どもの意思
・心身の発達状況
・兄弟との関係(親権者を定めるときに兄弟が別とならないか)
といった事情が考慮されます。
 子どものこれまでの監護を行ってきた監護の実績や主たる監護者は誰であったのかを判断する際には、母親側が子どもの実質的な監護を行ってきたという実情があるために、母親側が取得できるケースがあるといったことが多い印象です。

4 子どもの親権を取得するためには子どものために積極的に監護をしておくことが大切

 子どもの親権が問題となる場合には、離婚のときからこのようにすれば親権を取得ができるといった方法があるわけではありません。普段から子どもの成長にかかわり、主たる監護者といえる実績を得ていくことが大切となってくるでしょう。子どもの食事、寝かしつけ、風呂、病気のときの対応など日常の子どもの世話をしていたのか、どちらが子どもの監護を行うのがふさわしいのかの立証ができるように準備をしていくことが大切となるでしょう。

 一方で、子どもに対する虐待や違法な奪取行為があったなど子どもの親権者となることに支障がある事情についてはしっかりと主張しなければなりません。これの事情が考慮されないために、子どもが不利益を被ることは子どもの福祉にかなわないものといえるでしょう。

 15歳前後を超えてきますと、子どもの意思といった側面が大きな要素となっていくこととなるでしょう。家庭裁判所は親権者を決めるにあたって、多くの場合には、家庭裁判所調査官などを通じて子供の陳述を聞くこととなりますが、子どもの意向も重要な要素となることでしょう。

5 裁判所では証拠も大切な要素となってくる

 
 家庭裁判所では家庭裁判所調査官が調査報告書が判断の要素となってきます。しかし、家庭裁判所調査官の判断の根拠となるべき主張、立証をしていくことが必要となります。それぞれの考慮要素が存在するとしてもそれらを適切に家庭裁判所に提出していくためには弁護士の助力を得ていくとよいでしょう。天王寺総合法律事務所では、離婚、親権者の指定についてお取り扱いをしておりますので、大阪天王寺で親権についてご相談、ご依頼されたい方はぜひお気軽のお問い合わせください。

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