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養育費未払いを請求するにはどうしたらいいのでしょうか。

養育費未払いを請求するにはどうしたらいいのでしょうか。

☑ 離婚をする際に子供の養育費を請求する方法とは
☑ 養育費を決めずに別れてしまったときに養育費請求を求めることはできるの?
☑ 養育費はいくら払ってもらえるのか?

養育費が支払われていないので請求をしていきたいといった場合には、どのように対応をしていくとよいのでしょうか。

この記事では、大阪天王寺の弁護士が養育委未払いを請求する方法を解説させていただきます。

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1 養育費とは何か

個人法務の事件

父母は未成熟の子どもに対して扶養義務を負うこととなります(民法877条1項)。
そして、離婚後については、扶養義務は発生し続けることになります。

そのため、離婚後をしたとしても、監護親は、子の監護に対する処分として、別居をしている親に対して、養育費を請求することができることになります(民法766条)。

養育費の支払方法として、一般的には、月払による支払をすることが多いでしょう。

一括請求についても、当事者で合意ができる場合には認められることがありますが、家庭裁判所ではあまり定めないこととなります。

2 離婚時において養育費を支払い旨の合意の有効性は?

離婚をする際に面会交流や養育費で離婚後ももめ続けるのは嫌だと思い、養育費を請求しないといった合意をすることがあります。

養育費は、未成熟の子が親から扶養を受ける権利でありますので、父母間での養育費に不払いを合意することはできるのか、合意ができたとしても公序良俗(民法90条)や扶養を受ける権利は処分をすることができないとした民法881条に違反するのではないかが問題となってきます。

(1)子どもから扶養義務者に対する請求は可能

まず、子どもとの関係については、札幌高裁昭和43年12月19日決定では、未成年者の扶養義務者である父母の間でその一方が他方に対し、養育費を請求しない旨の念書を差し入れたとしても、それが子の親権者として子を代理し、父に対して生ずる将来の扶養料請求権の放棄であれば民法881条によりその効力がないことは明らかであるとして、未成熟の子に対する扶養義務を免れされる旨の合意に効力がないとしています。

したがって、子どもが自身の養育費を請求するといったことは可能となるでしょう。

(2)両親間では合意は債権的有効(養育費を請求できない場合がある)

もっとも、監護親との関係では、子どもの扶養義務者である父母間の養育費の不払の合意をした場合には、父母間で養育費の分担内容や求償の方法等に関して合意をしてものであり、扶養義務を負う当事者の間で意見的な効力を有するとされています。

したがって、合意内容が父母間で不相当といえない限りは、監護親からの請求は認められない可能性があるでしょう。

(3)養育費不払の合意があっても事情変更によって請求可能

大阪高裁昭和56年2月16日決定では、父母が離婚する際、母が未成年の子を引取り、養育費を負担する旨約したとしても、未成年の子の成長に伴い教育費が増加する等、その後事情に変更を生じたときは、母は父に右約定の変更を求め、協議が調わないときは、その変更を家庭裁判所に請求することができるとの判断を示しています。

ここでは事情の変更があったといえるのかが問題となります。合意の当時に想定されておらず、請求を認めることが相当な事情変更が必要となってくるでしょう。

3 養育費の金額を定めていない場合には?

わかりやすいポイント

養育費については、離婚をすることを先行して、金額について定めていないといった場合があります。では、養育費の金額を定めていない場合には、請求をすることはできるのでしょうか。

(1)請求時から請求ができる

本来は、子ども扶養義務を果たしていない過去分についても請求ができてしかるべきだとも思われます。

しかし、長期間にわたって養育費が請求されておらず、突如として過去の養育費の支払いを求められることは債務者にとって酷であり、当事者それぞれの収入、負担、資産などの証拠も散逸しているために、過去の養育費を算定することは困難です。

そのため、明確な請求時(調停申立て時点など)を養育費の算定時として、そこから当事者の収入、資産などを踏まえて、未払養育費の金額が定められます。過去分については、どこまで遡って認めることが当事者の公平となるのかについて家庭裁判所などが判断していくこととなります。

なお、認知の案件では、認知が確定するまでは養育費を請求することができないため、認知の確定までに時間を要するなどの事情があった場合には、一定の過去分が認められることがあります。

例えば、大阪高裁平成16年5月19日決定では、未成年者の養育費については,その出生時に遡って相手方の分担額を定めるのが相当であると判断をしています。これは、未成年者の認知審判確定前に、抗告人が相手方に未成年者の養育費の支払を求める法律上の根拠はなかったのであるから,請求時をもって分担の始期とすることに合理的な根拠があるとは考えられない。本件のように、幼児について認知審判が確定し、その確定の直後にその養育費分担調停の申立てがされた場合には,民法784条の認知の遡及効の規定に従い、認知された幼児の出生時に遡って分担額を定めるのが相当である。

(2)養育費を定める流れとは

養育費は、子どもの扶養義務として監護の費用を定めるものであるため、当事者で合意ができた場合には、その金額を養育費として定めることができるでしょう。

しかし、当事者で協議が整わない場合には、子の監護に関する処分として、家庭裁判所における調停・審判で金額を定めることができます。

通常は、家庭裁判所に養育費の調停を申し立てて、金額を定めていくということになるでしょう。

【 申立人 】 父 又は 母
【 申立先 】  調停の場合には、相手方の住所地の家庭裁判所 又は
         当事者が合意で定める家庭裁判所(家事事件手続法245条)。
【 申立書類 】 養育費調停申立書
         未成園舎の戸籍謄本(全部事項証明書)
         申立人の収入に関する資料(源泉徴収票、給与明細、確定申告書などの写し)
【 申立費用 】 収入印紙1200円
         連絡用の予納郵券 (各家庭裁判所が定める金額)
※ 申立て予定の各家庭裁判所に問い合わせおくとよいでしょう。

可能であれば、相手方の源泉徴収票などが添付されているとスムーズに金額などを定めることができる場合があるでしょう。

(3)養育費の金額の決め方とは

養育費については、家庭裁判所は養育費・婚姻費用の算定表を利用して金額を定めていくことが多くあります。

これは、これまでの家庭裁判所での実務での基本的な考え方に基づく「簡易迅速な養育費等の算定を目指して-養育費・婚姻費用の算定方式」に示された養育費算定表を活用しているものです。

従来のものを修正した養育費・婚姻費用の算定について「養育費、婚姻費用の算定に関する実証的研究」がまとめられ、令和元年12月23日にまとめられた研究報告により示された標準算定方式・算定表(令和元年版)を参考にそれぞれの総収入を認定して、子どもの人数、年齢から計算をしていくことになります。

養育費をいくら支払ってもらえるのか、算定表などを確認してみるとよいでしょう。

https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

4 養育費を支払ってもらえない場合の対応方法とは

家庭裁判所での手続きのイメージ

(1)内容証明郵便など任意での支払い請求

養育費の支払いがなされていない場合には、任意での支払い請求を行うことがあります。

メールや電話などで請求を行うことで、支払いがなされることがあります。

単に忘れていた場合や入院などの事情によって期日までに支払いができていないケースなどもあります。

また、どうしても関わりが薄くなってしまう中で、支払の優先順位が後回しにしてしまうといった事態がありえます。

これらの連絡の際には、いつ連絡したのか、相手方の言い分は何かの記録や録音などを残しておくとよいでしょう。

それでも支払ってこない場合には、弁護士に依頼して、内容証明郵便で催告を行うことが考えられます。

債務名義となりえる養育費の合意書があるのかどうかによってその後の手続きは変わってきますが、任意での支払いを行ってくれない場合には、法的対応のフェーズに入ったものとして対応をしていく必要があるでしょう。

(2)養育費請求調停・審判について

養育費について当事者での取決めがなく、任意での支払いがない場合には、家庭紙亜番所での養育費請求の調停・審判を行っていくことがありえます。

調停はあくまで話し合いではあるものの、家庭裁判所での調停委員などが関与し、養育費の調停調書は確定判決と同一の効力を有することになります。

調停での話し合いを行っても解決が困難である場合には、調停は不成立となり、審判手続に移行していきます。

審判手続きでは、当事者が提出してきた主張や証拠、源泉徴収票などの収入や資産に関する各種の資料を参考として、裁判官が客観的な金額を算定していくことになります。

なお、事案によっては、強制執行を保全し、又は事件関係人の急迫の危険を防止するために必要があるときには、家庭裁判所への申立てにより仮差押え、仮処分そのほか必要な保全処分を命ずることができることがあります(家事事件手続法105条・157条1項3号)。

もっとも、この場合には、これらの事情があることについて疎明をして一定の立証をしなければなりません。

(3)履行勧告・履行命令

養育費に対する調停調書や審判などがあるにもかかわらず、相手方が支払いに応じない場合には、履行勧告、履行命令を申し立てることができます。

① 義務の履行状況の調査及び履行の勧告 : 義務を定める審判や調停をした家庭裁判所は、権利者の申出があるときには、その審判で定められた義務の履行状況を調査し、義務者に対して、その義務の履行を勧告することができること定められています(家事事件手続法289条)。

② 義務履行の命令 : 義務を定める審判や調停をした家庭裁判所は、その審判で定められた金銭の支払その他の財産上の給付を目的とする義務の履行を怠った者がある場合に、相当と認めるときには、権利者の申立てにより、義務者に対して、相当の期間を定めてその義務の履行をすべきことを命ずる審判をすることができる(家事事件手続法290条)。

といった履行勧告・履行命令を行うことで、一定の支払いを促すことができます。

履行命令について義務の履行を命じられた者が、正当な理由なく、その命令に従わないときには、家庭裁判所は、10万円以下の過料に処するという罰則が存在します(家事事件手続法290条5項)。

なお、この手続きは家庭裁判所での調停・審判などの手続きを経たものが想定されていますので、公正証書によるものは想定されていません。

(4)強制執行手続き

養育費について、権利があることを確認できる債務名義という書面を有していた場合には、強制執行手続きを行っていくことができます。

債務名義には
① 養育費に関する調停調書
② 養育費に関する審判書
③ 裁判上の和解 (離婚裁判のときに養育費も併せて和解書を作成することがあります。)
④ 判決
⑤ 執行認諾文言付きの公正証書

があります。

債務名義については、正本の送達がなされていることが必要となりますので、当事者から送達されていることが必要となりますので、送達証明書などを残しておくことが大切となります。

養育費その他の扶養義務に係る金銭債権を請求する場合には、給与債権等につちえ差押えが禁止される範囲は、その支払期に受けるべき給付の2分の1となっています(通常は、4分の3)。

また、令和元年には、民事執行法の改正によって、財産開示制度の拡充がなされています。

こちらが知れている財産に対して強制執行を実行しても、完全な弁済を得られないことを疎明すること(民事執行法197条1項2号、2項3号)を提出し、財産開示手続を実施することができます。

そして、財産開示手続において、衛陶なり湯なく呼出しを受けた期日に出頭しなかった場合や虚偽の陳述をした場合には、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が定められています(民事執行法213条1項5号、6号)。

第三者からの情報取得手続きといって、強制執行が可能な状態にある債権者が調査を行ったものの債権を回収するに足りるだけの債務者の財産が見当たらない場合には、預貯金などに対し第三者の情報取得手続き、不動産、給与に対する第三者の情報取得手続きなどが定められています。

不動産や給与に対する第三者の情報取得手続については、財産開示手続の前置が経る必要があります。

5 まとめ

養育費の支払いを求めていくためには、状況によってさまざまな法的手続きを実行していくことが必要となってきます。

早い段階で弁護士に相談をしておくことで養育費の適正な確保をすることができる可能性が高まりますので、養育費でお困りの方はぜひ法律事務所にお問い合わせください。

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