相続放棄の弁護士

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相続放棄弁護士

相続放棄について大阪天王寺の弁護士が解説致します。相続放棄のご依頼を希望される方は是非お気軽にお問い合わせください。

✅ 相続放棄をすべき場合とはどんな場合でしょうか
✅ 多数の借金があるため相続放棄をしたい
✅ 遺産分割紛争に巻き込まれたくないため相続放棄をしたい
✅ 相続放棄をした場合、死亡保険金は受け取れないのでしょうか

相続については様々な紛争に書き込まれてしまうかもしれません。
そこで、弁護士に依頼をして安全に相続放棄をしませんか。

1 弁護士に相続放棄をするメリットとは?

弁護士に相続放棄を依頼することでメリットがあります。

① 相続放棄手続が代理にすべて対応を任せることができます
 弁護士は、当事者の代理人として行動ができます。相続放棄手続について弁護士に依頼することで代理人として相続放棄対応を任せることができます。

② 債権者から請求された場合への対応をサポートできます。
 相続放棄手続を完了されるまでの間に、債権者から相続したのだから債務を支払えといった要求がなされる場合があります。弁護士に相続放棄を依頼をしておくことで、弁護士に依頼していますとして請求をストップさせる、債権者からの連絡を弁護士に窓口をすることができます。

③ 相続放棄手続きができない場合にも遺産分割協議など他の法的サポートも可能
 相続から3か月の期間が過ぎていた場合にも、借金を知ってから3か月以内で相続放棄手続をすれば債務を免れる場合があります。法的に争点がある場合の手続きには弁護士に依頼をされるとよいでしょう。他の遺産分割協議や債務整理手続といった依頼をすることができる場合もあるでしょう。

 弁護士に相続放棄依頼することで、最大限ご本人にメリットのある解決をすることができるでしょう。

2 相続放棄とは何か


(1)相続とは
 相続とは、被相続人の死亡により開始し、被相続人の財産に属した一切の権利義務が相続人に承継されることになります。相続は被相続人の最終意思の尊重の観点と制度的に公平に財産移転を行う観点から行われることになるでしょう。
 実務的には、①いつの時点において被相続人の死亡を知ったのか、②被相続人の財産には積極財産と消極財産がそれぞれどれだかあるのかが問題となるでしょう。

(2)相続放棄制度とは
 相続放棄は、自分自身との関係で相続の効果を確定的に消滅させる意思表示で、相続財産を特定の1人に集中させるためや借金などから相続することがマイナスとなってしまう場合に利用させる程度です。
 相続放棄は、相続しないとの意思表示をすればできるものではありません。相続開始地を管轄する家庭裁判所において、相続放棄の申述を行い、家庭裁判所が申述を受理する旨の審判を行い、その旨が申述書に記載されることで効力が生じます。家庭裁判所は、申述者が相続人であるのかどうか、相続放棄を真意から行っているかどうか、法定単純承認にあたる事実の有無を審理して受理するのかどうかを判断します。

〇 法定単純承認をすると相続放棄はできない点に注意が必要です。
 法定単純承認とは、民法921条に記載される一定の事項を行った場合には、単純承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなります。
① 相続財産の全部又は一部を処分したこと(保存行為:相続した債権の時効完成を阻止する措置や民法602条の短期賃貸借等)
② 熟慮期間内に限定承認や相続放棄をしていないこと
③ 相続放棄をした場合でも相続放棄後にされた隠匿、消費等、悪意の財産目録への不記載を行ったこと
 特に、相続財産の処分といえるためには、単純承認の擬制を認めるべきものであることが必要となりますので、相続財産の処分については、相続人が自己のために相続が開始した事実を知りながら相続財産を処分したときか、又は、少なくとも相続人が被相続人の死亡をした事実を確実に予想しながら、あえてその処分をした場合をいうとされています(最判昭和41年12月22日、最判昭和42年4月27日)。
 遺族として通常実施すべき範囲内にて被相続人の葬儀費用を相続財産から支出したり、自ら負担した葬儀費用を相続財産によって補填することは処分に該当しない事例(東京地半平成19年10月31日)や預金を解約して墓石購入費に充てた場合にも処分に当たらないとされる事例(大阪高裁平成14年7月3日決定)があります。
 また、被相続人の形見を持ち帰った場合には、個別的な事情にもよりますが、信義則上相続人に限定承認あるいは放棄の意思なしと認めるに足りる処分行為をすることが必要であるとしたうえで、形見の趣旨で僅かな一部の遺品を持ち帰る行為が処分に該当しないと判断されることがありえるでしょう(山口地裁徳山支部昭和40年5月13日判決)。

3 相続手続きを行うための期限とは、相続全体の流れ

 相続に関するタイムスケジュールを把握しておくことは、相続手続きの期限があるのかを把握しておくとよいでしょう。
 
(1)死亡届        7日以内
 人が死亡したときには、死亡の事実を知った時から7日以内に死亡届を提出しなければならないことになっています。

(2)遺言書確認、検認手続  遅滞なく
 期間制限が定められているわけではありませんが、遺言書を確認して、遅滞なく検認手続きを行う必要があるため、早期に検認申立てを行うこととなるでしょう。検認手続では、相続人全員にその旨の通知がなされるため、原則として相続人が家庭裁判所に出頭することとなるため、遺産分割協議を始めるきっかけとすることもあり得るでしょう。

(3)相続放棄、限定承認   3か月
 相続放棄、限定承認は、相続開始を知った時から3か月で申述を家庭裁判所に行わなければなりません。相続の放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、相続の放棄をする旨の申述書を家庭裁判所に提出しなければなりません。相続財産が複雑、多額である場合や各地に相続財産が存在している場合には、相続財産の調査が3か月以内に完了しないことがありえますので、相続の承認・放棄の期間伸長審判申立書を提出することで裁判所の裁量により期間を延ばすことができるでしょう。

(4)所得税、消費税準確定申告  4か月
 確定申告をしなければならない者が翌年の1月1日から確定申告期限までの間に確定申告書を提出せずに死亡した場合には、相続人は、相続開始があったことを知った日のy九実から、4か月以内に申告と納税を行うことが必要となります。準確定申告の対象となるのかを確認しておくとよいでしょう。

(5)相続税申告 10か月
 相続税の申告期間は、10か月であり、共同相続人間の相続税納税額を明確にするためには、相続税の申告期限までに遺産分割や遺産分割協議に伴う履行を終わらせらえるとよいでしょう。10か月以内に遺産分割協議がまとまらない場合には、相続人が法定相続分で相続した形で申告書を提出し、申告期限後3年以内の分割見込み書を提出するなどの対応をとることとなるでしょう。遺産分割後4か月以内に、更正の請求を行い、還付を受けることとなるでしょう。
 
(6)遺留分侵害額請求権(遺留分減殺請求)
・相続の開始及び遺留分を侵害する贈与または遺贈があったことを知った時から 1年
・相続開始の時から 10年
 遺留分侵害額請求権は、配偶者と子、直系尊属に対して法定相続分の一定割合の遺留分を認めることで、近親者の生活保障や財産への貢献分の清算、共同相続人間の公平を図っています。遺留分権利者の遺留分率を計算し、受遺者等に対して内容証明郵便、配達証明により意思表示を行うこととなるでしょう。遺留分侵害額請求にも時効があるため、早期に請求が必要となります。

(7)相続回復請求
・相続権侵害の事実を知った時から5年
・相続開始の時から20年
 相続回復請求権とはあまり聞かない用語ではありますが、相続権の無い表見相続人が、真正相続人の相続権を否定し、相続権を侵害された場合には、侵害された相続権の回復を求めることができる権利となります。相続回復請求権を有する者(相続人、法定代理人、被相続人の包括承継人(包括受遺者、相続分譲受人、遺言執行者、相続財産管理人、相続人に相続人)などが、表見相続人(相続欠格、相続排除、無効な縁組など)、共同相続人に対して、任意または裁判により請求をしていくこととなるでしょう。

 相続においては、多くの期間が問題となるため、相続紛争に巻き込まれた場合には、どのように対応していくのかを弁護士、税理士に相談しておくとよいでしょう。

4 相続放棄で注意すべきことは?

 相続放棄において注意をすべきことは何でしょうか。
相続放棄のメリットは何か、デメリットは何かを解説させていただきます。

(1)メリット
① 被相続人の借金を支払わずに済む
 相続放棄を行うと、相続放棄者は、初めから相続人の地位を取得しなかったことになるため、遺産に関する積極財産も消極財産も初めてから承継しなかったことになります。そのため、被相続人が負っていた借金を負わなくてすむ点は、大きなメリットです。被相続人が多重債務の状態にあった場合には、相続放棄手続を選択してもよいでしょう。

② 相続紛争に書き込まれずに済む
 相続については、争いがないケースについては遺言書の通りに行う場合や遺産分割協議書をまとめることで終了しますが、争いがあった場合には、遺産分割協議、遺産分割調停、遺産分割審判、訴訟、遺留分侵害額請求など紛争に巻き込められていきます。限定承認手続を行うためにも、相続人全員が共同して行う必要があります。そこで、相続紛争について巻き込まれずに済むために、相続放棄を選択するメリットがあるでしょう。 

③ 財産を特定の者に集中させることができる
 相続放棄については、農家などの家業の財産を特定の者に承継させるといった形で使われることがありました。現在でも事実上の相続放棄を行うために、遺産分割協議において遺産を何ら取得しない旨の合意を行うといった方法、生前贈与を受けたことにして相続分なきことの証明書を作成する方法、相続分を特定の相続人に譲渡、相続分の放棄といった方法が取られたことがあります。もっとも、借金については、誰かひとりに財産をまとめたとしても、債権者の同意を得なければ他の者も債務を免れることできません。債務を免れるためには相続放棄を行っていくことが適切でしょう。

(2)デメリット
① 相続放棄は撤回ができない
 相続放棄は一度受理された場合には、撤回をすることができません。詐欺、強迫による場合や後見人の同意を得ないで行った相続放棄申述については取消ができますが、限られた場合のみとなるでしょう。

② 相続放棄をした者の子ども等は代襲相続できない
 相続放棄をした場合には、相続放棄者は、当初より相続人の地位を取得しなかったものとなりますので、相続人は代襲相続もできないと考えられます。

③ 相続放棄で相続人が変わってしまう
 相続は相続人の順位があり、相続放棄を行うことで順位が変動し、想定していなかった相続人がでてくる場合があります。・配偶者は常に相続人となる、・第1順位(子供・代襲相続人)、・第2順位(父母、祖父母)、・第3順位(兄弟姉妹)の順があり、上に相続順位の人がいる場合には、下の相続順位とはならないということになります。
 配偶者と第1順位の者が相続放棄を行った場合には、父母などが相続人となってしまうことがありえます。多重債務の場合に相続放棄をすることを事前に父母や兄弟姉妹に伝えておき、手続きを行うようにしておかないと親族間でのもめごとに繋がってしまう危険性があるので注意が必要でしょう。

5 相続放棄の流れ

① 依頼の検討、お問い合わせ
 多額の借金があった場合には、法定相続人は誰か、相続財産はいかなるものかを把握できることを把握し、相続放棄の相談をしましょう。相続放棄を行う場合には被相続人の財産を処分を行うと単純承認と扱われる危険性がありますので、注意してください。相続放棄には自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内と短い期間制限があります。財産調査、戸籍調査に一定の時間がかかることを踏まえれば、お早めに法律事務所にご相談ください。
                  ▽
② 法律相談、委任契約
・相続財産の内容(預貯金、不動産、借金、株式、自動車など)と相続人を整理しているとスムーズに相談をすることができます。戸籍謄本(除籍謄本)や本籍が記載された住民票、を持参いただけると調査に入りやすいでしょう。
・被相続人の亡くなられた日付、亡くなられたことを知った経緯や亡くなられた方の最後の住民票上の住所地をお聞きさせていただきます。
・相続放棄をされたい理由と財産の概略をお聞きした上で、相続放棄申述書の作成と資料の収取を開始させていただきます。期限が迫っている場合には、早めに相続放棄期間の伸長を申し立てることになるでしょう。

 ご相談時には、
・ 身分証明書(運転免許所、マイナンバーカード)
・ 印鑑(認印可能)
・ 内金1万円(ご契約を頂かない場合にはいただきません)。
可能であれば、
・ 戸籍謄本、住民票など、死亡の日時、住所地を確認できるものをご持参ください。
                  ▽
③ 申立書の作成、申立て
 相続放棄申述書の作成及び添付資料である申述人の戸籍謄本、被相続人の死亡の記載がある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本を当職にて取得させていただきます。相続放棄申述書にはご依頼者の署名捺印をお願いすることが多いでしょう。

 相続放棄申述書を早期に管轄の家庭裁判所に提出することとなるでしょう。 
 概ねの必要資料は下記のようなものです。
・相続放棄陳述書
・被相続人の住民票除籍、戸籍附票
・申述人の戸籍謄本
・そのほか被代襲者の死亡の記載のある戸籍謄本や被相続人等の出生から死亡までのすべての戸籍(除籍、改製原戸籍)など事案によって必要な戸籍が変わります。
・収入印紙800円、各家庭裁判所で所定の連絡用郵券切手

                  ▽
④ 家庭裁判所からの審理、照会
 家庭裁判所から、2週間程度で照会書が送付されてきます。照会書に係れている質問に回答し、家庭裁判所に返送を行います(相続をいつごろ知ったのか、相続放棄をする理由など)。申述書と同様の日付などを記載して、連絡をするとよいでしょう。
 照会書については、あくまでご本人が回答することになりますが、相続放棄の意思やいつの時点で相続を知ったのか、単純承認となるような事項を記載していないかは注意が必要となりますので慎重に記載をしましょう。
                 ▽
⑤ 家庭裁判所から手続きに特段の問題ながなければ2週間程度で、相続放棄申述受理通知書が送付されてきます。相続放棄申受理通知書については、1通のみとなりますので、大切に保管しておきましょう。コピーを提出するだけでも債権者の連絡は止まる場合があります。
 債権者が証明書の提出を求めてきた場合には、家庭裁判所に相続放棄申述受理証明書の取得を依頼し、提出するといった流れとなります。

6 弁護士報酬

〇相続放棄の弁護士費用

事案簡明な場合 5万5000~
財産調査、期限直前、熟慮期間経過など 11万円~

事案の内容について別途お見積りをさせていただきます
別途実費を1万円程度頂戴いたします。

〇 債権者対応など、相続放棄後に発生して問題についてはお気軽にご相談ください。なお、相続放棄後に、遺産を処分する場合には相続放棄が無効となる危険性があります。

〇 熟慮期間を経過している場合には、相続放棄受理申立を行うかどうかが争いとなるケースがあります。東京高裁平成22年8月10日決定は、相続放棄の申述を却下すべきことが明らかな場合以外には、相続放棄の申述を受理すべきといった判断をしているものの、熟慮期間の起算点や単純承認行為については問題となることがあるでしょう。このような場合に却下された場合には、2週間以内に高等裁判所へ即時抗告を行うといったことといった対応が考えられます。もっとも、即時抗告において判断を変更することは一般には困難であると考えられています。

7 相続放棄のよくあるQ&A

Q 死亡する前に相続放棄はできますか?
弁護士の回答
相続開始前には、相続放棄手続を行うことはできないため、借金があることが判明して相続放棄をすることを検討している場合は、亡くなったときに備えて財産関係の調査と相続人は誰か、相続放棄することをあらかじめご家族とお話されておくとよいでしょう。

Q 相続放棄申述書については、自分で署名、捺印をしなければなりませんか?
弁護士の回答
相続放棄の申述書はご本人様に自署を頂くことが原則ですが、ご本人様が放棄の手続を他者に一任して印章を預け、申述書には本人または代理人の記名押印があるに過ぎない場合でも家庭裁判所は、他の調査に基づき本人の真意に基づくものであることを確認できる場合には、申述を受理されることがあるでしょう。もっとも、ご本人様の大切な意思表示であるため、署名、押印を頂くことをお願いしております。

Q 相続放棄がなされていれば借金を請求されることはなくなりますか?
弁護士の回答
相続放棄を行ったかどうかについては、家庭裁判所に照会を問い合わせなければ債権者はわからないことになります。債権者から連絡があった場合には、相続放棄申述受理証明書を提出するなどの対応をとることとなるでしょう。


Q 借金があるのかをあるのかよくわかりません。財産調査を行ってから相続放棄をすることはできないのでしょうか。
弁護士の回答
一定程度の財産や借金を調査することはできます。もっとも、すべての財産や借金を知ることはできないため、概ねの財産から借金のほうが多いのか、財産のほうが多いのかを検討することとなるでしょう。
① 信用情報機関に対して信用情報の開示請求
 信用情報機関には、全国銀行個人信用情報センター、株式会社シー・アイ・シー、株式会社日本信用情報機構があります。信用情報機関に対して、どれくらいの借金があるのか、どこからの借金があるのかを調査することとなるでしょう。戸籍謄本、開示請求をする相続人の本人確認資料(2種類)、定額小為替、信用情報開示申込書、被相続人の電話番号、運転免許証番号、返送用郵券などを準備して郵送にて開示を申請することとなるでしょう。
② 個人間の借り入れについては預貯金、支払履歴から調査を
 信用情報機関に情報が登録されていない個人間の借入や金融機関でない法人からの借入については信用情報機関に情報登録がなされていません。預貯金の通帳からの支払履歴や催告書、通知書、契約書からどのような借金があったのかを調査することが必要となるでしょう。確定申告書、収支内訳書、帳簿などから借入金の有無を判断することもありまるので、これらの資料を探しておきましょう。
 親族から借金の連帯保証契約を行っていないかを確認しておきましょう。
③ 被相続人の自宅にある預貯金、保険証券、契約書から財産、借金の調査を行う。
・預貯金 (残高証明書、名寄せなどによる取得)
 自宅にある預貯金、メールやアプリのネット銀行などから、取引金融機関を特定し、残高証明書の発行を依頼し、残高や利用状況を確認していきます。残高証明請求を行うと金融機関が口座名義人の事実を把握し、口座が凍結されますので、公共料金、家賃の口座引き落としとなっている場合には注意が必要でしょう。各金融機関の窓口にて、相続人の実印、印鑑証明書、被相続人との関係のわかる戸籍謄本、手数料などを提出することが多く、各金融機関で確認することになります。死亡日当日の残高証明書を取得することで、残高の調査を行うことができるでしょう。
・不動産
 不動産については、固定資産税通知書、権利書(登記済権利書)により固定資産が判明することがあります。不動産登記簿謄本を確認しましょう。被相続人と相続人の関係が判明する戸籍謄本を持参し、市区町村役場にて、固定資産評価証明書を取得しましょう。市税事務所や市区町村約にて、相続人の確認を行うために、固定資産台帳(名寄帳取得)の申請を行って、その市内などで把握されている土地建物の情報を取得することがきる場合があるでしょう。
・借地権、借家権
 不動産賃貸契約書、取引のあった不動産管理会社に問い合わせを行うことで、どのような契約をしていたのか、権利があるのを把握できる場合があります。相続放棄を行う場合には、当初より相続人でないことになるため、借地権を更地にする必要などはないため、地代の請求、更地にしてほしいと希望が出されても対応ができないとの回答となるでしょう。賃貸人は、相続人がいない場合には、相続財産管理人を家庭裁判所にて選任し、借地権などの処理を行うこととなるでしょう。
・株式、投資信託等有価証券
 被相続人宛ての取引報告書や郵便物から、証券口座のある証券会社と支店を把握し、相続発生日における取引残高報告書などの発行を求めていくこととなるでしょう。株式を有していた可能性が高い場合には、証券保管振替機構に登録済加入者情報の開示を求めていくことがありえます。
・動産類、宝石、自動車等
 自動車等は車検証(自動車車検証)の所有者欄を確認することで確認ができるでしょう。
 銀行の貸金庫などに宝石がないかなどを確認しておきましょう。
・未払いの税金
 被相続人宛ての催告書、市区町村役場に確認することができるでしょう。
・入院費、治療費
 入院先や通院先の病院において確認することができるでしょう。

Q 相続放棄をするためには財産調査をしなければならないのでしょうか。

弁護士の回答

必ず財産調査を行わなければならないわけではありません。
相続放棄については、相続財産の概略を家庭裁判所に申告しますが、わかっている範囲で調査をすれば足ります。相続に巻き込まれたくないといった意向なのであれば、財産調査を行わず相続放棄を行うといったことが考えられるでしょう。

Q 相続放棄をする場合には、賃貸アパートの解約や片付けはどうしたらよいのでしょうか。未払い公共料金はどうしたらよいのでしょうか。

弁護士の回答
相続人が相続放棄を行う場合には、相続財産の処分を行うと法定単純承認行為とみなされる可能性があります。
価値のない形見を受け取る程度であれば問題はありませんが、価値がある財産を処分としたとすれば、単純承認として扱われる危険性があるでしょう。
賃貸人からは、相続人と思われる人に対して未払賃料の支払いや賃貸アパートの解約、片付けなどを求めてくるかと思われますが、相続放棄が認められないとのリスクがあるために賃貸借契約の解除といった要望を受けることができないことを説明しましょう。
公共料金については、相続放棄を行う旨を連絡し、供給を止めてもらっておき、未払い分については支払わなくてよいでしょう。

相続を受ける他の相続人に対応をお願いするか、賃貸人などに相続放棄をして対応ができないので、相続財産管理人の選任を行うよう伝えるといったことになるでしょう。相続財産管理人は予納金に相当の費用がかかるため、相続放棄で債務を免れようと行動されている方が申立てを行うことは少ないでしょう。

Q 葬儀費用を支払ってしまった場合には相続放棄はできないのでしょうか。
弁護士の回答
単純承認を行った場合には、相続放棄ができなくなることがあります。
債権者が貸金返還訴訟や保証債務履行訴訟を提起してきた際に、預貯金からの出金があった場合には、相続放棄の無効などを主張してくる場合があり得るでしょう。
被相続人の葬儀費用については、相当な支出であった場合には、被相続人の財産から支出したとしても単純承認にはあたらないと判断されることがありえるでしょう。葬儀費用には、香典返しや墓石の購入費などは含まれていないため、死亡時にかかる費用を被相続人の財産から支払っている場合には、相続放棄が認められない、のちに訴訟などで効力を否定される可能性がある点には注意をしておくとよいでしょう。
葬儀費用での支出であることの証明などが必要となる場合がありえるため、証拠資料を残しておかれるとよいでしょう。

Q 相続人全員が相続放棄をした場合にはどうなるのか
弁護士の回答
全員が相続放棄を行った場合には、債権者などの利害関係人から家庭裁判所に対して相続財産管理人と選任することが求めることがありえます。また、相続放棄を行ったとしても、完全に法的な義務がなくなるわけではなく、放棄により相続人となった者が財産管理を始めるまでは、自己の財産と同一の注意をもって財産の管理を継続しなければならないことになっています。
 相続財産管理人選任の審判を申し立てる場合には、相続財産管理人選任審判申立書、被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍、改製本戸籍謄本)、被相続人の住民票の除票ないし戸籍附票、相続人全員の戸籍謄本、財産目録、利害関係人を証する書類などを提出します。もっとも、相続財産管理人の選任には、費用の予納金が必要となっており、これが数十万円~100万円程度といわれています。相続財産に不動産などがあり、放置しておくことで被害が発生する場合には、管理責任を問われないために申立てを行ってくべきでしょうが、財産がない場合には、相続財産管理人を相続放棄を行った側で準備することはあまり考えにくいでしょう。

Q 生命保険の受取人となっている場合には、相続放棄を行った場合どうなるのでしょうか。
弁護士の回答
死亡保険金は、保険契約によって発生するものであり、受取人が被相続人ではなく、遺族となっている場合には、相続財産に含まれません。そのため、相続放棄をしても、生命保険の保険金を受け取ることができる場合があるでしょう。もっとも、相続放棄を行った場合には、税法上の非課税枠を利用することができなくなるため、贈与税や所得税がかかる場合がありますので注意が必要となるでしょう。

Q 3か月の熟慮期間経過後に、相続債務があることが判明しました。このような場合には相続放棄をすることはできないのでしょうか。
弁護士の回答
熟慮期間は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月を熟慮期間とし、この期間が満了した場合には、921条2号により単純承認をしたものとみなされます。債権者によっては、熟慮期間が満了した頃合いをみて、相続人に対して請求書を送付してくるといったことがありえます。
 熟慮期間経過後に多額の相続債務があることが判明した場合には、相続人にとって酷な結果となってしまうために、裁判所は例外的な判断を行う場合がります。最高裁昭和59年4月27日判決では、3か月以内に限定承認または相続放棄をしなかったのが、被相続人に相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、このように信ずるについて相当な理由があると認められる場合には、熟慮期間は相続人が相続財産の全部または一部の存在を認識した時または通常これを認識しうべき時から起算するのが相当であると判断しました。
① 被相続人に相続財産が全くないと信じていたか、
② 相続人の財産調査を期待することが著しく困難な事情があるといえるか
③ 相続財産が存在しないと信じたことに相当に理由がないか
により相続財産がないと信じたことに相当が認められる場合には、相続財産である借金を認識したときから熟慮期間を起算するということがありえるでしょう。

下級審の裁判例においては、相続財産を一部でも知っていた場合には熟慮期間の起算点を延長しないといった判断を限定的に行っているわけではなく、相続財産の一部を知っていた場合においても具体的事情のもとで判断対応をしています。

相続人において被相続人に積極財産があると認識していても、その財産的価値がほとんどないといえる場合には、申述を却下した原判決を取消し、受理を行っている事例(東京高裁平成19年8月10日)や遺産として不動産があることを知っており、かつ、被相続人の長男が不動産相続登記をするために遺産分割協議証明書に署名捺印したものの、被相続人の生前より長男が一切の財産を相続するものと信じており、債務が存在することを知らなかったとして、長女、次女の相続放棄申述受理申書について申立てを却下した原審を取消し受理を行う(東京高裁平成26年3月27日決定)などがあります。

〇 まとめ


 相続放棄を行うといっただけでも検討すべき事項や考えなければならないことは多々あります。熟慮期間が3か月と極めて短いことも相続放棄手続きを行うことができるかどうかについて法的な問題となり個人で行うことが困難となるでしょう。そこで、相続放棄手続きを行いたいと考えた場合には、早期に法律事務所への相談、手続きの依頼をされることをオススメ致します。当事務所では、相続放棄でお悩みの方にリーズナブルな費用で相続放棄手続きの依頼などを行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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