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【判例・裁判例】内縁関係では財産分与は認められるのでしょうか。

【判例・裁判例】内縁関係では財産分与は認められるのでしょうか。

内縁関係を解消するときには、財産分与、慰謝料などは認められるのでしょうか。
このページでは、判例、裁判例からどのような場合には認められるのかを解説させていただきます。

内縁関係を解消した場合には、財産分与の類推適用により分与を求めることができる場合があります。

一方的な不法破棄の場合には、慰謝料請求が認められるでしょう。

もっとも、死別した場合には、内縁のときには相続関係は認められないこととなります。

1 内縁とは何か

内縁とはどのような関係をいうのでしょうか。

内縁にも様々な考え方があるのでしょうか、婚姻届がないため、法律上の婚姻関係とはいえませんが、当事者の間に、社会通念上の婚姻意思があり、かつ、事実上の夫婦共同生活がある関係を意味すると解されています。

最高裁は、昭和33年4月11日判決において、いわゆる内縁について、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦の生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異なるものではなく、これを婚姻に準ずる関係ということを妨げないとしています。

内縁といえるためには、当事者に
① 婚姻の意思があること
② 夫婦共同生活の実体が存在していること
が必要であることとなります。

① 婚姻の意思があることについて

婚姻の意思があるときは、社会通念上の夫婦になる意思で足りるとされていますので、婚姻の届出意思ではありません。男女のどちらかが婚姻の届出を拒んでいても、内縁の成立が認められる(高松高裁平成11年3月12日決定)。

住民票において同一世帯となっていたことや、相当期間の共同生活を継続していたア売には、婚姻の意思があったことを示すこと推定することができるでしょう。

これまでの生活の状態やメッセージのやりとりから婚姻の意思を推測される事態となるかを検討するとよいでしょう。

② 共同生活について

社会共同生活を共に送っている事実があるかどうかにより認定ができるでしょう。

常に継続的な同居がなくても内縁が成立することがありえます。
大阪地方裁判所平成3年8月29日判決では、相手方の死亡までの約9年間にわたり、お互いのマンションを行き来をする。

夫婦として宿泊旅行を行う、入院中の看護をしていた事案においては、継続的な同居がなかったとしても、精神的にも、日常生活においても相互に協力し合った一種の共同生活形態を形成していたものと認められるので、事実上の夫婦と認めるのが相当とすること判断がなされました。

2 内縁での財産分与について

内縁が成立する程度に夫婦共同生活の実態があった場合には、共同生活期間において、共同して築いた財産が存在することが考えられます。

したがって、内縁解消にあたって、財産分与の類推適用を行うが認められる場合にあります。
類推適用とは、本来ある条文の規定の趣旨から、同様の適用場面においても利用することができるといった法解釈です。

内縁解消については、法制度に明確に規定があるわけではありませんが、婚姻関係の解消の場合とは同様の趣旨から、財産分与の場面でも同様に清算を行っていくこととなります。

解消について
(1)一方的な内縁の解消
(2)死亡による内縁の解消
(3)合意による内縁の解消
が考えられるでしょう。

(1)一方的な内縁の解消

一方的な内縁の解消については、内縁関係は、婚姻関係に準ずるものであると考えられているため、一方的な内縁の解消を行った場合には、法的保護に値する利益を害するものとして、不法行為に基づく損害賠償請求が認められることがあります。

最高裁昭和38年9月5日判決の事案では、男性から婚姻の申込みを受けて女性が男性との性的関係を9年間にわたり交際を続けた、その間に、2回、婚姻中絶をしてきた事案において、不法行為に基づく損害賠償請求として慰謝料請求が認められています。

内縁関係については婚約破棄の慰謝料と構成せずに、貞操権侵害に基づく慰謝料請求が認められることもありえるでしょう。

東京家庭裁判所昭和31年7月25日審判では、内縁解消において、法律上の夫婦の離婚に伴う財産分与に関して民法768条の類推適用が認められていますので、内縁当事者間で財産分与の話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に調停、審判を利用して財産分与を求めていくことが可能であると考えられます。

(2)死亡による内縁解消

内縁当事者が死亡した場合にも内縁関係は解消することとなるでしょう。
正式に婚姻をしている場合には、配偶者が死亡すれば、相続人となることがありますが、内縁の場合には相続人とはなりません。

では、財産分与請求権を類推適用することはできないのでしょうか。
この点、最高裁は否定的な見解を取っており、難しいということになるでしょう。

最高裁平成12年3月10日決定では、内縁当事者が死亡した場合の事案において準婚姻的法律関係の保護に適するものとして財産分与により財産関係を清算することに対しる一定の合理性があることは認めつつも、死亡による内縁解消につき、相続の開始した遺産につき財産分与の法理による遺産清算の道を開くことは、相続による財産承継の構造の中に異質の契機を持ち込むもので、法の予定していないところである等として、民法768条の類推適用は否定していました。

大阪高裁昭和57年11月30日判決では、内縁当事者の協力によって築かれた場合には、その財産を内縁当事者らとの共有財産の取扱いを行い、共有物の分割請求を認めるなどの財産法一般法理により、解決しようとしていくこととなります。

したがって、死亡による内縁解消の場合には、財産分与や相続などにより財産を受け取ることは難しいということとなるでしょう。

厚生年金保険法では、死亡による内縁解消の場合に、遺族年金を受け取ることができる場合があり得ます。

(3)合意による内縁の解消

内縁について、離婚と同様に合意により内縁関係を解消させるといった場合があるでしょう。
単に同居を終了させるのみで直ちに合意による内縁関係の解消といえるかは事案によって異なりますが、当事者に内縁関係の清算の合意意思と事実があった場合には、関係の解消が認められるでしょう。

清算の協議において、財産分与などについて調整を行っていくこととなるでしょう。

3 まとめ

内縁関係については、通常の婚姻関係とは異なる判断が必要となってきます。
内縁において解消で問題となる場合には、慰謝料や財産分与について検討をしておくとよいでしょう。
弁護士に相談をして、どのような対処方法をすべきかを検討していくとよいでしょう。
天王寺総合法律事務所には、離婚問題、男女問題に取り組む弁護士が所属しておりますので、ぜひお気軽にお問合せください。

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