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養育費の不払いについてどのように対策をしたらよいでしょうか。

養育費の計算について

養育費が不払である場合にはどのようにしたらよいでしょうか。まずは、きちんとした調停や公正証書など強制執行ができる状況なのかを確認しておきましょう。

そのうえで、任意での請求を行うか、裁判所を利用した強制執行ができるのかを確認していくこととなります。

子どものためのお金となりますので、弁護士に相談して、いくとよいでしょう。

1 養育費とは

まず、養育費とは何かについて確認しておいましょう。

離婚をした後であっても、父母は未成熟の子どもに対して、扶養義務を負っているとされます(民法877条1項)。

そのため、子どもを養育をしている親は、別居をして子どもを監護していない者に対して、子の監護に関する処分として、養育費を請求することができるとされています(民法766条)。

養育費について、当事者での協議が整わない場合には、子の監護に関する処分事件として、家庭裁判所において調停・審判を申し立てることができます。

養育費請求調停などについては、裁判所のWEBページを参考するとよいでしょう。

■ 養育費請求調停

https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_07_07/index.html

従来はそれぞれの収入、事情から基礎収入、子ども監護のために必要な費用を算定してきました。

しかし、これはで迅速な算定が困難となるため、養育費の具体的な算定については、簡易迅速な養育費等の算定を目指して-養育費・婚姻費用の算定方式によって標準的算定方式(判例タイムズ1111号285頁)が設けられました。

そして、平成15年以降には、これらの算定表を用いて計算をすることとなっています。

平成15年から社会情勢などが変わってきたために、平成30年度司法研究「養育費、婚姻費用算定に関する実証的研究」の研究報告が出され、令和元年12月23日には、新しい標準算定表(令和元年版)が出されました。

■ 平成30年度司法研究(養育費,婚姻費用の算定に関する実証的研究)の報告について

https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

したがって、通常は、これらの算定表をもとにして、源泉徴収票、課税証明書などをもとにして、それぞれの収入を認定し、養育費を算定していくこととなります。

養育費か婚姻費用かの別をみて、子ども人数、年齢をみて、大まかな金額を示すとよいでしょう。

2 養育費の不払いに対する対応方法

では、養育費を支払ってくれない場合には、どのように対応すればよいのでしょうか。

まず、不払が発生している現状において、公正証書などの書類を作成していたのかを確認しておきましょう。

① 調停調書  
② 公正証書(執行認諾文言付)  
③ 判決謄本  

以上のような書類があるかを確認しましょう。

離婚の際に、家庭裁判所を利用して調停離婚をした場合などは養育費に関する定めをきちんとしている場合が多いでしょう。

一方で、協議で離婚をした場合には、養育費をいくらかとする書面を交わしていないことがありえます。

裁判所により強制的に債権回収を図る場合には、債務名義と言って、公的機関において強制的に履行を確保することが法律で認められたものをいいます。

このような債務名義がない場合には、強制執行をすることができません。

したがって、まず、ご自身が考える養育費の不払について、①調停調書、②公正証書(執行認諾文言付)、③判決謄本といった強制執行により利用できる書類があるのかを確認しましょう。

もし、養育費の不払いについて養育費調停・審判の申立てを行い、話し合いを行う、話し合いができない場合には審判を求めていくこととなるでしょう。

3 メールや電話、内容証明郵便による督促

① 電話での支払を求める場合  
② メールでの支払を求める場合  
③ 内容証明郵便で支払いを求める場合  

養育費の不払いについて強制執行を行うか、支払いを催促するために、メールや電話などにより養育費の履行を求めていくことがありえます。

これは債権回収においても、任意の回収が期待できる場合には、支払交渉を始めることが大切となります。

端的に相手方が支払えない事情などを聴取し、支払を求めていく場合には、メールや電話において支払いをもとめることがありえるでしょう。

電話では証拠が残りにくいため、メールにて履歴を残して請求を行うことがあり得ます。

一方で、これまでの経緯から法的な手続きを示さなければ任意での支払いを求めることが困難である場合には、内容証明郵便により支払いを求めることが考えられます。

また、債務者の情報について、電話番号しか判明していない場合には、弁護士会照会(弁護士法23条の2)によって、債務者の携帯番号から過去の住所地を特定することがありえます。

過去の住所地が判明することで、戸籍の附票や住民票の職務上請求により住所を特定していくことがありえます。

したがって、弁護士に内容証明郵便の送付を依頼し、支払いをするように求めていくとよいでしょう。

4 家庭裁判所での履行勧告・履行命令

過去に家庭裁判所にて、婚姻費用・養育費に関する調停・審判を行っていた場合であれば、家庭裁判所に履行の勧告を求めることができます。

したがって、このような家庭裁判所が審判事項を定めた場合には、履行勧告・履行命令をしていくこととなります。

履行勧告を行う場合には、履行勧告申告書を家庭裁判所に提出することとなります。

申出をすることができる者は、調停、審判などで支払等を受けることが決定した者であり、申出書に相手方の住所を記載します。

調停条項や審判所のコピーを添付し、支払などが決まった調停、審判をした家庭裁判所に申出を行うこととなります。

義務が守られていない場合に支払が行われていない資料(預貯金のコピー)を提出することが求められることがあります。

履行勧告の申出費用はかかりません。

このような勧告については必ずしも法的な強制力を有しているわけではありませんが、費用がかからないこと、強制執行手続きに比べて容易にできる手続きとなりますので、家庭裁判所からの勧告であれば従う可能性がある場合には試す価値はあるでしょう。

なお、執行認諾文言付き公正証書では、履行勧告・履行命令をすることはできません。

家事事件手続法289条 (義務の履行状況の調査及び履行の勧告)

義務を定める第39条の規定による審判をした家庭裁判所…は、権利者の申出があるときは、その審判…で定められた義務の履行状況を調査し、義務者に対し、その義務の履行を勧告することができる。

履行命令について、義務の履行が命じられた債務者が正当な理由なく履行命令に従わない場合には、10年以下の過料に処するという罰則があります。

このような履行命令については、家庭裁判所が相当と認めるといになされます。

相当性について、義務者の義務の不履行の程度、理由、履行応力、生活状況、健康状況などが考慮されることになります。

履行命令をすると、義務者からの聴取が必要となり、義務者が正当な理由なく呼出しに応じない場合には、履行命令を発することができます。

家庭裁判所は、相当の期限をさだめてその義務を履行すべきことを命じる審判を行い、履行命令を発する際に命令書を作成して、義務者に対して法律上の制裁を告知することとになります。

家事事件手続法290条(義務履行の命令)

義務を定める第39条の規定による審判をした家庭裁判所は、その審判で定められた金銭の支払その他の財産上の給付を目的とする義務の履行を怠った者がある場合において、相当と認めるときは、権利者の申立てにより、義務者に対し、相当の期限を定めてその義務の履行をすべきことを命ずる審判をすることができる。この場合において、その命令は、その命令をする時までに義務者が履行を怠った義務の全部又は一部についてするものとする。

5項 第1項(…)の規定により義務の履行を命じられた者が正当な理由なくその命令に従わないときは、家庭裁判所は、10万円以下の過料に処する。

家事事件手続規則 (義務履行の命令に違反した場合の制裁の告知)

第140条 家庭裁判所は、法第290条第1項(…)の規定による義務の履行をすべきことを命ずる審判をする場合には、同時に、義務者に対し、その違反に対する法律上の制裁を告知しなければならない。

2 前項に規定するもののほか、同項の審判の手続については、第二編第一章に定めるところによる。

5 強制執行の手続き

強制執行の種類としては、①不動産執行、②動産執行、③債権執行の3種類が存在します。

養育費の未払で最もよく利用される場合には、預貯金や給料などを対象とする債権執行が想定されることが多いでしょう。

養育の支払いを実現するための手続きとして、①直接強制、②間接強制がありえます。

直接強制とは、相手方債務者に対して、直接的に支払いを命じるものとなります。

間接強制とは、相手方債務者に対して、債務の不履行の場合に一定の額の金銭を支払うべきことを命じることにより、一定の金銭支払いを避けたい場会には、支払をしなければならないとの心理的な強制を与えて、履行を促すこととなります。

既に履行期の到来した確定分については、差押え、取立てを行うことができます。

また、将来分の養育費等について、その一部が不履行があったときには、支払期限の到来していない将来分の養育費について一括での申立てを行うことができます(民事執行法151条の2)。

この差押えの対象となるものは、継続的給付債権に限られますので、賃料債権、給与債権、役員報酬などが対象となります(民事執行法151条の2第2項)。

養育費の差押えの請求範囲については、一定の控除をした2分の1の金額となります。

6 まとめ

養育費の不払いが生じた場合には、法的保護に値するお金が支払われていないこととなり、子どものためのお金がないために生活が困窮していく危険性があります。

そのため、できるだけ早期に弁護士への相談をされることをおすすめいたします。

天王寺総合法律事務所では、離婚、養育費、家事事件などについてお取り扱いをしておりますので、弁護士への依頼を検討されている場合には、ぜひお気軽にお問合せください。

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