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【大阪天王寺の弁護士が解説】相続の遺留分の時効はいつですか。

【大阪天王寺の弁護士が解説】相続の遺留分の時効はいつですか。

遺留分のイメージ

① 遺留分については、相続開始や遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知ったときから1年間行使しないときは、時効により消滅することとなります。
② また、相続開始の時から、10年を経過した場合には、除斥期間により消滅をすることとなります。

そもそも遺留分の制度とは、被相続人の財産の中で、法律上一定の相続人に留保されている権利のことをいいます。

民法1042条では、兄弟姉妹を除く、相続人(配偶者、子または直系尊属)に対して、法定相続分の一部割合を遺留分として認めています。

これは亡くなった方の死後に近親者に一定の生活保障を行い、共同相続人間での衡平を図るための制度です。

亡くなった親が子のうちほとんどの財産を一方に譲る遺言書が書かれてしまったとの場合に、遺留分侵害額請求の意思表示を行うことで、受遺者に対して、金銭の請求を行うといった事案が想定できるでしょう。

遺言書などで財産を受け取ってもいつかは遺留分侵害額請求権がなされるとすれば、将来金銭行使がなされるおそれがあるとして、不安に思われることも当然でしょう。

そこで、相続の遺留分の時効はいつなのでしょうかをこの記事を解説させていただきます。

1 遺留分侵害額が認められる者とは

(1)遺留分権利者となるのは、兄弟姉妹以外の相続人、配偶者・子・直系尊属のみが対象となります(民法1042条1項)。

① 配偶者 (妻 又は 夫)

② 子   (代襲相続により孫などもこと同じ遺留分を取得します)

③ 直系尊属(親、祖父母)

が遺留分権利者となります。

一方で、兄弟姉妹の遺留分権利者とはなりません。

これは、兄弟姉妹は独立して生計を立てていることが多く遺産によって生活保障を行う必要性が低いことや社会的な関わりが子など比べ低いことから遺留分までを認める必要がないと判断されているためといえるでしょう。

また、相続放棄や欠格、排除によって相続権を失った場合には、遺留分権利者とはなりません。

(2) 遺留分権利者となれない者

× 兄弟姉妹や兄弟姉妹の子ども(姪、甥)

× 相続放棄を行った者や相続放棄を行った者の子ども

× 相続欠格(相続するために脅迫などの犯罪を行ったもの)

× 相続排除(被相続人に虐待や屈辱をして相続人から排除されたもの)

× 包括受遺者(遺言書で漠然とした割合単位で遺贈をされたもの)

わかりやすいポイント

2 遺留分の割合とは

遺留分の割合については、民法上に一定のルールがあります。

〇 遺留分権利者全体の割合として

(ⅰ)【相続人が直系尊属のみが相続人である場合には、相続財産の3分の1】

(ⅱ)【それ以外の相続財産の2分の1】

〇 共同相続人がいる場合には、それぞれの法定相続分をかけた金額

(ⅲ)【相続人が数人ある場合には、上記1、2に法定相続分の割合をかけた分の割合】

となります。

① 配偶者のみが相続人である場合 

② 配偶者と子のみが相続人である場合   

③ 配偶者と親のみが相続人である場合

④ 配偶者と兄弟姉妹のみが相続人である場合

⑤ 子どものみである場合

⑥ 親のみである場合

⑦ 兄弟姉妹のみ

のパターンで考えてみましょう

相続人遺留分全体配偶者の遺留分子どもの遺留分親の遺留分兄弟姉妹の遺留分
配偶者のみ1/21/2   
配偶者と子1/21/41/4  
配偶者と親1/21/3 1/6 
配偶者と兄弟1/21/2  なし
子どものみ1/2 1/2  
親のみ1/3  1/3 
兄弟のみなし    

(1)① 配偶者のみが相続人である場合 

夫の遺産は、1億円であり、夫の相続人が配偶者のみの場合

遺留分は全体の相続財産の1/2として、5000万円が存在することとなります。

(2)② 配偶者と子のみが相続人である場合

夫の遺産は、1億円であり、夫の相続人は配偶者と子ども1人のみの場合

遺留分の合計は、遺産の2分の1であるため、配偶者の遺留分はそこからの1/2となるため、1/4、子どもの遺留分はそこから1/2となるため、1/4ずつとなります。

遺産の合計額は、1億円であるため、2500万円が配偶者、子どもが2500万円となります。

子どもが複数人であった場合には、子どもの頭数で分けることとなります。

例えば、配偶者と子ども2人であった場合には、

配偶者  1/4 2500万円

子どもA 1/8 1250万円

子どもB 1/8 1250万円

となります。

(3)③ 配偶者と親のみが相続人である場合

夫の遺産が1億5000円であり、配偶者と夫の父母(直系尊属)が相続であった場合には

配偶者の遺留分は 1/3

直系尊属の遺留分は1/6

となります。

父母が健在な場合には、1/6を2分の1ずつとなるので、1/12ずつとなります。

配偶者 5000万円 (1/3)

夫の父 1250万円 (1/12)

夫の母 1250万円 (1/12)

となります。

(4)④ 配偶者と兄弟姉妹のみが相続人である場合

夫の遺産が1億円、配偶者と兄弟姉妹が相続人であった場合には、

遺留分の合計は遺産の2分の1であり、兄弟姉妹には遺留分はないため、配偶者の遺留分は1/2となります。

配偶者  5000万円

兄弟姉妹 なし

(5)⑤ 子どものみである場合

父親の遺産が1億円、配偶者はおらず、子ども4人のみが相続人であった場合には、遺留分の合計は2分の1となり、子どもの頭数にて割っていくと1/2×1/4=1/8ずつとなります。

子どもA 1250万円 (1/8)

子どもB 1250万円 (1/8)

子どもC 1250万円 (1/8)
子どもD 1250万円 (1/8)

となります。

(6)⑥ 親のみである場合

子どもの遺産が1億5000万円、相続人が親のみであった場合には、遺留分は1/3となります。遺留分の合計は遺産の2分の1であり、親が夫婦とも健在であれば1/3×1/2となります。

父親 2500万円(1/6)

母親 2500万円(1/6)

(7)⑦ 兄弟姉妹のみ

兄弟姉妹のみの場合には、遺留分がないため、遺言書などですべての相続財産を第三者に渡す場合には、遺留分侵害額請求をすることはできません。

時効のイメージ

3 遺留分侵害額の時効とは?

(1)時効の期間 1年

① 遺留分については、相続開始や遺留分を侵害する贈与や遺贈があったことを知ったときから1年間行使しないときは、時効により消滅することとなります。

② また、相続開始の時から、10年を経過した場合には、除斥期間により消滅をすることとなります。

【遺留分侵害額請求権の期間の制限】

・民法第1048条前段 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。

・民法第1048条後段 相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

(2)時効の起算点 遺留分を侵害するものであることを知ったとき

1年間の短期消滅時効を定めたのは法律関係を早期に確定させるためのもので、遺留分権利者が相続の開始および遺贈・贈与があったことを知っているだけではなく、

その遺贈・贈与が遺留分を侵害するものであることをしっていたことが必要とされています。

最高裁昭和57年11月12日判決では、遺贈等が遺留分を侵害し、減殺することができるものであることを知って初めて時効の進行が開始するが、被相続人の財産の大半が贈与され、遺留分権利者がその事実を認識している場合には、遺贈等の無効を信じていたために遺留分減殺請求権を行使しなかったことにもっとも認められる特段の事情がない限りは、減殺することができるものであると知っていたと推認されることとなります。

遺産分割の調停・審判を行うのみならず、遺留分侵害額請求を予備的に意思表示をしておくといったことがあり得るでしょう。

(3)意思表示は内容証明郵便で記録をとって

一般に、遺留分侵害額請求権を行使するにあたっては、書面でしなければならないなどの形式面での要素は求められていませんが、配達証明付内容証明により遺留分侵害額請求権を行使するとの意思表示をいつ行ったのかを明確にしておかなければならないでしょう。

遺留分侵害額請求については、調停前置主義が取られており、調停でも解決ができない場合には、訴訟で争うこととなります。なお、調停申立てでは、相手方に申立書の写しが送付されますが、送達がなされているわけではないため、調停期日に意思表示が到達したものと扱われることとなりますので、内容証明郵便にて意思表示をしていない場合には注意が必要となります。

4 まとめ

遺留分侵害額請求については、いつなされるのかについて不安が残る場合はあります。そのため、時効の起算点などを意識しておくことが大切となるでしょう。また、遺留分の行使期間は短いために、遺留分で争いがある場合には、内容証明郵便などで意思表示を行っておくことが大切となります。いずれの立場からもきちんとした時期に対応をしなければならないため、相続で相談をしておきたい場合にはできるだけ早期に弁護士にご相談されることをオススメ致します。

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