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微罪処分とは何ですか。前歴・前歴となるのでしょうか。

微罪処分とは何ですか。前歴・前歴となるのでしょうか。

① 微罪処分とは、事案が軽微であるとして検察庁に送致をすることなく、簡易な手続きにおいて、刑事手続きを終了させるものをいいます。
② もっとも、前歴がつくこととなりますので、今後再び犯罪を行った場合には同様には処理されないことがあり得るでしょう。

微罪処分とは、警察は、検察庁に送検をせずに、簡易な手続きで刑事手続きを終了させる手続きとなります。

犯罪白書によれば、平成30年には微罪処分で処理された辞任は、6万人程度であり、全検挙人員に占める比率は、29.4%とされ、多くの事件が微罪処分として処理されています。

では、微罪処分とはいかなるものであるのかのこのページでは解説させていただきます。

1 微罪処分の根拠

刑事訴訟法246条には、「司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。」と規定し、司法警察員が捜査をした事件については、原則とじてすべての案件を検察に送らなければならないと定めています。

送致とは、警察などが、警察官に事件を引き継ぐことを言います

 本来は、すべての事件を検察庁におくることが前提としていますが、例えば、交通違反事件などあまりに件数が多い事件を検察庁におくることは現実的ではないこととなります。

 また、軽微な窃盗や賭博事件のすべてを検察庁に送付することも実際に処理をすることは困難となるでしょう。

そこで、刑事訴訟法246条但書には、「検察官が指定した事件について、この限りではない。」と定めています。

国家公安委員会は、犯罪捜査規範を定め、犯罪捜査規範198条によれば、捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができると規定がなされています。

微罪処分については、地域によって違いがあるといわれており、一般に公開がなされているわけではないので、事案や地域によって異なることとなります。

微罪処分となった場合には、逮捕・勾留といった流れではなく、身柄の解放がすぐになされるとといったことになります。

2 微罪処分となる場合

・微罪処分の基準は各地域によって検事正が決めていますので、このような案件があればこのように判断されるということが決まっているわけではありません。
被害額僅少 (金額が2万円以下など)
犯罪軽微  (けがの期間が短期間)
盗品等返還その他の被害回復が行われている(被害品が返還されている)
被害者が処分を希望しない(示談成立、処罰意思がない)
素行不良者でない者の偶然的は犯行 (前科前歴がある場合には、微罪処分は認められないと考えられるでしょう)
再犯のおそれがない

などの事情を考慮して、行われることとなります。

・微罪処分については、成人の事件で、犯情の特に軽微な窃盗・詐欺・横領事件、盗品等に関する事件、賭博事件等となります。
 少年事件については、すべての事件が検察に送られることとなるため、微罪事件、処分とならない点ことになるでしょう。

被害者の処罰意思が強い場合には、微罪処分とならずに終わる可能性がありますので、注意が必要です。

弁護士を通じて、被害者に対して被害弁償と示談交渉をすることで微罪処分となる可能性もあり得ます。

そこで、被害を与えてしまった場合には、弁護士を通じての謝罪と被害弁償を行っていくとよいでしょう。

3 微罪処分には前歴がつくのか。

前科とは、裁判所などにおいて有罪判決を言い渡された場合をいい、前歴いとは、捜査機関によって被疑者として捜査の対象となったのかどうかを指すと考えられています。

微罪処分となった場合には、前科前歴のうち、裁判所などにおいて有罪判決を言い渡されたわけではないため、前科はつかないこととなります。

しかし、警察に被疑者として捜査対象となったにあたります。
そのため、微罪処分といえど、前歴が付くこととなります。

(微罪処分の報告)
犯罪捜査規範第199条 前条の規定により送致しない事件については、その処理年月日、被疑者の氏名、年齢、職業及び住居、罪名並びに犯罪事実の要旨を一月ごとに一括して、微罪処分事件報告書(別記様式第十九号)により検察官に報告しなければならない。

(微罪処分の際の処置)
犯罪捜査規範第200条 第198条(微罪処分ができる場合)の規定により事件を送致しない場合には、次の各号に掲げる処置をとるものとする。
① 被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒めること。
② 親権者、雇主その他被疑者を監督する地位にある者又はこれらの者に代わるべき者を呼び出し、将来の監督につき必要な注意を与えて、その請書を徴すること。
③ 被疑者に対し、被害者に対する被害の回復、謝罪その他適当な方法を講ずるよう諭すこと。

4 軽微な刑事事件であっても、必ず微罪処分となるわけではありません。


 被害者の処分意思がある場合には、微罪処分となりにくいため、被害者がいる事件では、弁護士を通じて被害弁償をされるとよいでしょう。
 また、あくまで相当な軽微な案件のケースであるため、実際に刑事事件を起こしてしまった場合には、刑事事件を取り扱っている弁護士に相談をしてどのように対応をしていけばよいかを協議していくことが大切となるでしょう。

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