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面会交流は拒否できない? 大阪天王寺の弁護士がわかりやすく解説します。

面会交流は拒否できない? 大阪天王寺の弁護士がわかりやすく解説します。

Q 面会交流は拒否することができないのでしょうか。

A 弁護士の回答

 面会交流は、子どもの利益のための原則は、拒否は難しいこととなります。

 しかし、拒否をする正当な理由がある場合には、拒否できる場合があります。

1 面会交流とは何か

(1)面会交流は、子どものために離れた親と交流の機会を確保するもの

 面会交流とは、離婚などで別れて暮らす親御さんがお子さんと直接会ったり、メールや電話などのいろいろな方法で交流を行うというものです。

 夫婦の関係は、離婚をすることによって、結婚生活は終了し、もう関係がないということはできます。しかし、お子さんと親御さんとの関係は、例え、離婚をしたとしても、親子であるとの関係はかわりません。
 
 子どもは離れた親とまったく会えないと、自分自身は親から愛されていないのではないか、自分のルーツがわからないと思ってしまい、自己肯定感を十分に育てることができないおそれがあるといわれています。

 そこで、子どもにたとえ夫婦は分かれていたとしても離れた親からは愛されていたのだという実感を与え、自分自身のルーツをきちんと確認してしまうことで、子どもの健全な育成に有益であるとの考え方から基本的には、面会交流が認められるべきと考えられています。

(2)面会交流の方法はひとつではない 子どもに合わせて様々

 面会交流の方法としては、それぞれのお子さんの状況において様々な方法を行っていきます。

① 面会交流の回数は月何回か
② 日時、曜日な何曜日がいいのか
③ 泊りがけの交流をするのか、実家に立ち寄るなどの方法をとるのか
④ どのような場所で子どもと会うのか
⑤ どのような場所で子どもの引渡しを行うのか
⑥ 誰かを面会交流で立ち会わせるのか
⑦ プレゼントを贈るのか、プレゼントの値段はどのくらいのものにするのか
⑧ 入学式や卒業式、運動会などの学校行事に参加をするのか
⑨ 電話やテレビ電話で交流を行うのか
⑩ メールやLINEで交流を行うのか。

民法でも「子の利益を最も優先して考慮しなければならない。」として、子どもの利益、子どもの福祉が最優先とされています。そのため、そのお子さんにとって最も福祉にかなう面会交流の在り方はどのようなものなのかを考えて、その方法を考えていかなければなりません。

(3)面会交流のやり方を決める方法には、話し合いで決める方法と裁判所の手助けを得る方法とがある。

面会交流のやり方を決める方法としては大きくわけて、合意で成立する場合の方法と家庭裁判所の力を借りてやり方を定める方法があります。

話し合いで定める場合には、
① その都度、話し合いで行う方式
② 離婚協議書で定める方式
③ 公正証書離婚協議書で定める方式
 があります。

 話し合いで子どもと会う日時を定めることができるといった方法もひとつの在り方です。多くの案件では、離婚後には元の夫や妻と連絡を取り合うことが難しくなることがあるため、協議書や公正証書などの書面でしっかりと定めていくといったことがとられます。相手方と会うことが難しい場合には、弁護士を利用し、相手方と交渉していくことがあり得るでしょう。

 当事者での協議ができない場合には、家庭裁判所の力を借りて定める方法
④ 家庭裁判所での面会交流調停で定める方式
⑤ 家庭裁判所での面会交流審判で定める方式
 があります。

2 面会交流が拒否できる場合とは

 家庭裁判所は、面会交流が、子どもが育っていく中で基本的な有益な制度とであると考えているため、「子の福祉を害する等、面会交流を制限すべき特段の事情がある場合を除き、原則として認められるべきである」との運用をとっています(東京高決平成25年7月3日)。

 では、子の福祉を害するような、面会交流を制限すべき事情があるといえるのでしょうか。

① 子どもの連れ去りのおそれがある場合
② 子どもをいじめるおそれがあるとき(子どもへの虐待のおそれがある場合)
③ 親などに対する暴力がある場合
④ 子どもが面会交流をいやがっているとき(子どもが面会交流を拒絶している場合)
⑤ 面会交流の約束を守ってもらえないとき(面会交流で守るべき事項に違反している場合)

 などがあり得るでしょう。ここでも大切な要素となるのは、子どもの福祉、利益に反することがあると認められる場合に、面会交流を拒否することがあり得るということとなるでしょう。

(1)子どもの連れ去りのおそれがある場合

 親権で揉めていた場合には、子どもの連れ去りのおそれがあるといって、面会交流を拒否できるのではないと思われるかもしれません。
 しかし、連れ去りの危険性は一定程度の具体的な危険性があるないとなかなか連れ去りの危険性があると主張だけしても、面会交流を拒否することは難しいでしょう。
 連れ去りを行う危険性がある根拠や証拠を上げて主張していくことが必要となります。
 FPICなどの第三者機関を関与のもとで、連れ去りの危険性を防ぐ形で面会交流を行っていけばよいのでないかと示されることがあり得ます。

(2)子どもへ虐待のおそれがある場合

 子どもへの虐待のおそれがある場合には、面会交流を拒否できる場合があり得ます。過去に子どもに対する虐待(身体的な虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト)などがあった場合には、安易に子どもと面会をさせることは危険です。虐待の経験がフラッシュバックするなどして子の福利、利益に反してしまうおそれがあります。過去の虐待の程度や子ども心身の発達状況などにもよるのでしょうが、面会交流を拒否していくといったことがあり得るでしょう。

(3)親への暴力がある場合

 離婚前などに親に暴力がある場合にも、児童虐待の防止等に関する法律2条4号では、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力その他児童に著しい心理的外傷を与えた場合には、面会交流を禁止・制限すべき場合と考えられます。もっとも、子の年齢、意向、発達状況などにより第三者を入れた面会交流を将来実施していくことはあり得るでしょう。

(4)子どもが面会交流を拒絶している場合

 面会交流においては、子どもの利益のため、子どもの意思が尊重される傾向があります。
そのため、子どもの年齢や発達の程度などにより強固の会うことを拒絶している場合には、面会交流を拒むことができる場合があるでしょう。
 しかし、子どもが面会交流を拒んでいることだけで正当な理由とはいえません。
 離婚のときには、子どもは引き取ってもらう親に対して多かれ、少なかれ配慮をしているもので、親が会いたいと言ってほしくないとの気持ちを読み取って会わないといった発言をすることがよく見られるためです。

 子どもが面会の拒否した場合にも、子どもに理由をよく聞き、面会交流に対する相手方の態度などを踏まえてどのような方法で面会交流を行っていくべきかをよく話し合うべきだと考えられています。

 東京高裁平成22年10月28日決定では、7歳の男児が調査官調査において、面会交流を明確に拒絶した事案について心身ともに年相応の発達段階において、言動や表情態度などが、直に自分の意向を伝えたものとは認めがたく、未成年者が両親などの態度に思い悩み、忠誠葛藤とみられる面が存在するとして、面会交流拒否を認めなかった事案も存在します。

(5)面会交流で守るべき事項に違反している場合

 面会交流では様々ルールを設けます。これは、子どもの健全な育成のために、必要と思われる特に大切なものをルールとして定めるものです。
 面会交流は、離婚はしたとはいえ、お互いの当事者の協力において行われるものとなります。宿泊と伴わない面会の協議ができていないのに、長期間にわたって子どもを連れ出すといったことが繰り返されるなど、面会交流において合意した条項の違反が、重大な場合には、当事者間の信頼関係、ひいては子どもの利益が害されるおそれがあります。

(6)まとめ

 面会交流は、基本的には家庭裁判所は認める傾向があります。そこで、子どもの利益、福祉に反する事情は一体なんであるのかをしっかりと確認して進めていくことが大切となってきます。面会交流を拒否する場合には、なぜ子どもと会わせることができないのかを説得、伝えていきましょう。

面会交流が拒否することが難しい場合では、どのような状況、保護ができる環境で面会交流を実施していくことを検討していくこととなるでしょう。

3 面会交流の拒否した場合のリスクとは

 面会交流を拒否し続けた場合にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
 ここでは、面会交流を拒否した場合は、どうなるのかを解説いたします。

(1)面会交流の履行勧告

 面会交流について当事者で決めることができない場合には、家庭裁判所において面会交流の調停の申立て、調停が不成立となった場合には、審判に移行することとなります。調停・審判・判決などで面会交流が認められた場合にその判断を守っていなかった場合には、家庭裁判所から履行が勧告されることがあります。
 履行勧告に従わなかったとしても、強制力はないため、それ自体ではそこまでの負担となるわけではありません。

(2)間接強制について

 面会交流は、直接強制として直接会わせるように連れていくといったことはできず、強制執行を行うとしても間接強制となってしまいます。そして、調停や審判で定めた、面会交流を守らなかった場合で、一定の給付が特定できる場合には間接強制を行われるリスクがあります。間接強制については、1回の拒否につき、3~5万円程度の支払いが命じられるリスクがあり得ます。

 しかし、家庭裁判所で定めたすべての合意で間接強制が認められるわけではなく、給付の特定性(ⅰ面会交流の日時又は頻度、ⅱ各回の面会交流時間、ⅲ子の引渡しの方法等が具体的に定められていること)が必要とされます。

・最高裁平成25年3月28日決定(判時2191・39)では
① 面会交流の日程等について、月1回、毎月第2土曜日の午前10時から午後4時までとして、場所は、相手方自宅外の相手方が定めた場所とする
② 面会交流の方法として、長女の受渡場所を自宅以外の場所として協議を定めるが、協議が整わないときはJR駅東改札口付近とする
③ やむを得ない事情で①の日程で面会交流を実施できない場合には代替日を決める
④ 抗告人は、相手方が長女の入学式、卒業式、運動会等の学校行事に参列することを妨げてはならないとした面会交流要領を定めた審判が確定し、
⑤ 給付の特定にかけるところがないとして、間接強制が認められました。

・一方で、同日(判時2191・46)では、1か月に2回、土曜日又は日曜日に、1回につき6時間面会交流をすることを許さなければならないとする審判が確定していましたが、子らの引渡しの方法について特定がなされていないことから、給付を十分に特定ができていないとの判断がなされました。

 面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡しの方法などが具体的に定めてられている等、義務者がすべき給付の内容について給付の特定にかけることがないといえる場合には、面会交流の間接強制が認められることとなります。

 現在までに合意をした面会交流の条件などを踏まえて、面会交流の間接強制が認められるリスクがあるかどうかを検討することとなるでしょう。

(3)損害賠償責任のリスク

 面会交流を拒否した場合に、正当な理由がない場合には、不法行為、債務不履行に該当し、慰謝料請求が認められる場合があります。裁判例には、よりますが、数十万円~100万円程度の損害賠償責任を負ってしまうおそれがあります。

(4)面会交流を拒否するにはリスクがありますので正当な理由があるかどうかをよく弁護士と打ち合わせをしておきましょう。

 面会交流の拒否をする場合には、一定のリスクがあります、なぜ今は面会交流ができないのかを相手方や家庭裁判所に適切に伝えていくことが大切となってくるでしょう。場合によっては、FPICといった第三者機関を利用することや間接的な面会交流を利用することが考えられます。家庭裁判所で調停・審判手続きに移行をすることがありますので、弁護士に相談し、対応の協議をしておくとよいでしょう。

 天王寺総合法律事務所では、家事事件に取り組む弁護士がおりますので、子どものために面会交流を拒否したいといった事情がある場合には、ぜひ一度ご相談ください。

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