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内縁では不貞行為に基づく慰謝料請求はできるのでしょうか。

内縁について成立要件とは

内縁であったばあいには浮気をした場合に慰謝料請求をすることができるのでしょうか。

正式な法律上の夫婦関係がないために直ちに請求は難しいようにも思えます。

単に交際相手が別と相手と交際を始めた場合には、許せない思いがあったとしても、民法上の不法行為に該当して損害賠償までは難しいことが多いでしょう。

しかし、事実上のパートナーであったとしても、長期間の同居期間、夫婦としての実体があれば、法的保護に値する関係に至っていた場合には、法的保護に値する関係を肉体関係という加害行為によって侵害されたといえることがあり得そうです。

そこで、この記事では内縁関係において、不貞行為に基づく慰謝料請求ができるのかを解説させていただきます。

1 内縁の成立要件とは

(1)内縁とは何か。

内縁関係の男女のイメージ

内縁とは、社会一般において、夫婦としての実質がありながら、婚姻の届出を欠いているために、法律上の夫婦とは認められない場合をいいます。

法律上の婚姻届を提出していなかったとしても、当事者の意識や生活実態から事実上夫婦同然の生活をする男女関係があるのであれば、婚姻に準ずる関係に当たるとして、法律上一定の保護をすべきと考えられています。

不貞行為に基づく損害賠償の案件ではありませんが、内縁関係を不当に破棄した場合に、損害賠償責任を負うかを判断した最高裁の判決も存在します。

最高裁判所昭和33年4月11日判決では、ところで、いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異るものではなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げないとしました。

そのうえで、民法709条にいう「権利」は、厳密な意味で権利と云えなくても、法律上保護せらるべき利益があれば足りるとされるのであり、内縁も保護せられるべき生活関係に外ならないのであるから、内縁が正当の理由なく破棄された場合には、故意又は過失により権利が侵害されたものとして、不法行為の責任を肯定することができること、内縁を不当に破棄された者は、相手方に対し婚姻予約の不履行を理由として損害賠償を求めることができるとともに、不法行為を理由として損害賠償を求めることもできるものといわなければならないとの判断を行いました。

少なくとも内縁関係と認められた場合には、婚姻に準ずる関係として法的に保護されると考えらいるといえるでしょう。

(2)内縁の成立要件とは

では、どのようなには内縁として認められるのでしょうか。

内縁の成立には、

① 当該男女間に婚姻意思があること
② これに基づいた共同生活が存在していること

が必要となります。

① 婚姻の意思とは、婚姻の効果を発生させる意思をいい、社会通念に従って婚姻とみられる関係を形成する意思と考えられます。

同居義務、協力扶助義務、貞操義務及びその存続を生じさせることが認めらえるかどうかとなりますので、

・結婚に関する慣習上の儀式が行われていたか
・証人の証言があるか
・共同生活に入った経緯はどのようなものか
・共同生活の内容
・共同生活の期間
・第三者からの認識内容

など様々な事情が考慮されることとなります。

② 共同生活の存在として、婚姻共同生活での同居・協力・扶助・貞操義務の履行とみられる生活行動や生活状況が存在することが必要となるでしょう。

交際・男女関係の状況、生活の維持管理、日常生活上の協力関係、経済的な協力状況、共同財産の有無などが考慮されていくことになるでしょう。

なお、以下のような場合には内縁関係とはならないので注意が必要です。

・愛人関係などで夫婦共同生活を送ることを想定していない場合

・セックスだけの関係など性的関係のみを持っている場合

2 損害賠償責任を負う者は誰か。

(1)内縁の配偶者に対する責任

内縁関係では、法律上の義務として夫婦と同様の義務を負うこととなります。

内縁関係として義務としては、
同居扶助義務 内縁相手と同居し、互いに協力しあう義務が存在すると考えられています。
別居した場合も、なお内縁が存続しているといえるためには、特段の事情や一時的別居の場合には、内縁関係が認められることがあります。

貞操義務 内縁相手については互いに貞操を守る義務を有しています。

日常家事連帯債務 内縁相手の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯をしてその責任を負うこととなります。

内縁関係で第三者と肉体関係をもつことに至った場合には、内縁の貞操義務に違反したパートナーに対して、貞操義務違反に基づく損害賠償責任の負うこととなります。

(2)不貞行為の相手方に対する責任

貞操義務違反は原則は、第三者の不法行為責任は認められないこととなります。

そこで、判例・実務では、実体を有する婚姻共同生活の平和の維持を法的利益と考慮し、第三者が故意・過失がある場合には、不法行為が成立し、不貞行為に基づく損害賠償請求権は成立することとなります。

しかし、故意・過失といって、内縁関係を第三者がしっているかどうかが大きな問題となります。

不法行為に基づく損害賠償請求では、浮気相手・相手に故意過失が成立しなければ請求をすることができません。

東京地方裁判所平成15年8月27日判決では、同居をしていることや、ましてや内縁関係にあることを知らず、ただ単に交際している女性がいるという認識しかなかったこと、しかも交際している女性とは別れていると告げられた場合には、性交渉を持ったことに対して、故意・過失が認められず慰謝料請求が認められない事例が存在します。

東京地方裁判所平成24年6月22日判決で、長年同居していたことは知っていたものの、説明から単なる同居人以上の関係ではないと認識を有していたにすぎないとして、故意があったものと認めることはできず、直ちに過失があるとはいえないとして、慰謝料請求が認めらえない事例が存在します。

したがって、第三者に対して不貞行為があったとして慰謝料が請求できる事案としては、故意・過失があったということになるでしょう。

3 まとめ

内縁関係の場合には、婚姻届を出している場合に比べて、不貞行為に基づく慰謝料請求を第三者に行うことは故意、過失の面で難しい側面があります。

そのため、証拠より故意、過失があること、加害行為である肉体関係を持っていることを立証できるのかが大きなポイントとなるでしょう。

したがって、現在ある証拠、メッセージやLINEなどのやり取りなどから客観的にもて内縁関係を知っていたことを立証できるのかを弁護士と共に検討していくとよいでしょう。

お困りのことがございましたら、一度弁護士とご相談されることをオススメ致します。

著者情報
山本 達也(天王寺総合法律事務所 代表弁護士)
大阪弁護士会所属。神戸大学法科大学院卒。浮気不倫問題、離婚問題を取り扱っている弁護士。関西地域にて地域密着型法律事務所を設立。

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