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保釈ができない場合、認めらえない場合とはどのようなものですか?

保釈ができない場合、認めらえない場合とはどのようなものですか?

保釈についてはどの程度が認められているのでしょうか。
令和元年に勾留状を発付された被告人51106人に対して、保釈許可決定が出された被告人の数は16783人と、32%近くの保釈が認められているとされています。

では、保釈が認められる案件と保釈が認められない案件とはどのような違いがあるのでしょうか。このページでは、保釈ができない場合とのどのような事案であるのかを解説させていただきます。

保釈が認められない場合として想定されるケースは以下のようなものがあるでしょう。

① 罪証隠滅を疑うに足りる相当の理由がある場合

② 重大犯罪を犯し、保釈保証金の支払いを受けても出頭が期待できない場合

③ 常習犯として長期3年以上の懲役または禁錮の罪を行っている場合

④ 暴力団、反社会的勢力の関係者などにより証人に威圧が加えられるおそれがある場合

⑤ 住所不定、氏名不詳の場合

⑥ 保釈保証金の納付をすることの期待ができない場合

⑦ 過去の行為などから逃亡する危険性が高く裁判所が保釈を認めることが適当ではない場合

があるような場合には、権利保釈に該当せず、裁判所が保釈を認めることが適当ではないとして保釈が認められないこととなります。

保釈請求を行うにあたっては、これらの条件を満たすかどうかを検討することとなるでしょう。

1 保釈とは

保釈とは、保釈保証金を納付することを条件として、勾留の執行を停止して、被告人の拘束を解く裁判のことをいいます。なお、逮捕、起訴前の勾留段階では保釈制度はなく、保釈は起訴がなされた後、はじめて請求をすることができる制度となっています(刑事訴訟法88条)。

保釈の種類には、
① 権利保釈  (刑事訴訟法89条)
② 裁量保釈  (刑事訴訟法90条)
③ 義務的保釈 (刑事訴訟法91条
の種類が存在します。

保釈ができる場合として典型的なものとしては、権利保釈に当たる場合があり得るでしょう。
権利保釈については、刑事訴訟法の規定に該当しない場合には、保釈が認められるという制度となります。もっとも、保釈されるためには、保釈保証金200万円程度(事案によって異なります。)が必要となることがあり、保釈許可決定が出たのちに、保釈保証金を納めることができるかもポイントとなります。

裁量保釈とは、権利保釈となる事情が満たされない場合でも、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときに出される保釈のことをいいます。
こちらについては裁判所の合理的な裁量によって認められているものであるため、犯罪の性質や情状、被告人の身分関係、公判審理の進捗状況等の諸般の事情を考慮して、裁判所が適当と認める場合に保釈が認められることになります。

2 権利保釈の事由とは

保釈請求は、刑事訴訟法89条各号の規定に該当しない限りは、原則、保釈は認められることとなります。
なお、禁固以上の刑に処する判決があった場合には、無罪のついては働かないために、権利保釈は認められないこととなります(刑事訴訟法344条)

起訴後の保釈が認められるためには、権利保釈の各号に当たらないといえることが大切となってくるでしょう。

(1)罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるか(4号)

罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由とは、物証や書証、人証に対して、不当に働きかけを行い、最終的な判断を誤らせることおそれがあるため、具体的な物証、書証、人証について隠滅の恐れがある場合には、保釈は認められないこととなります。

罪証隠滅のおそれがあるかどうかについては、①罪証隠滅となる証拠があるか、②罪証隠滅の具体的な態様があるか、③罪証隠滅の客観的可能性があるのか、④罪証隠滅に対する主観的意図があるかによって判断がなされます。

事案において、証拠を隠滅するおそれがある場合や人証に対する不当な働きかけのおそれがある場合には、保釈がなかなか認められないこととなるでしょう。

(2)重大犯罪を犯したものである場合 (1号)

被告人が死刑又は無期もしくは短期1年以上の懲役もしくは禁固に当たる罪を犯した場合(89条1号)とはどのような刑事罰となるのでしょうか。典型的には殺人罪など人の生命などを害する犯罪の場合該当することとなります。

① 殺人罪       (刑法199条)
② 傷害致死罪     (刑法205条)
③ 不同意堕胎致死罪  (刑法216条)
④ 強制わいせつ等致死罪(刑法181条1項)
⑤ 強制性交等致死罪  (刑法181条2項)
⑥ 特別公務員職権濫用等致死罪)(刑法196条)
⑦ 遺棄、逮捕等致死罪 (刑法219条、刑法221条)
⑧ 強盗致死罪     (刑法240条後段)
⑨ 強盗・強制性交等致死罪(刑法241条3項)
⑩ 現住建造物放火罪   (刑法108条)
⑪ 身の代金目的略取等  (刑法225条の2)
⑫ 強盗罪        (刑法236条)
⑬ 強制性交罪      (刑法177条)
⑭ 往来危険罪      (刑法125条)
⑮ 通貨偽造、行使罪   (刑法145条)
などが該当します。

(3)被告人が前に死刑または無期もしくは長期10年を超える懲役若しくは禁固に当たる罪につき有罪の判決を受けたとき(2号)

保釈請求をなされる以前に、法定刑を基準として、判決の宣告があったことを意味することとなります。

例えば、上記に加えて
① 傷害罪    (刑法204条)
② 危険運転致傷
などが該当することとなります。

保釈の請求がなされる以前に、執行猶予判決が出された場合でもこれらに該当することとなります。

(4)常習犯として長期3年以上の懲役または禁錮の罪を行っている場合(3号)

「常習として」とは、勾留されている犯罪事実が常習として犯された場合をいいます。
常習性がある犯罪については、重い刑事罰が予想されることから、不出頭の危険性があるとして、保釈が認められにくいこととなっています。

常習性の存否としては、同種前科、当該犯罪の性質、方法、回数等の諸般の事情を斟酌して判断されます。前科の有無は問われないこととなっています。

長期3年以上としては、
① 詐欺罪
② 窃盗罪
③ 恐喝罪
④ 覚せい剤の使用、所持、譲渡、譲受
⑤ 酒気帯び運転、酒酔い運転
などがあります。

(5) 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき(5号)。

 人証、情状証人などについて、暴力団構成員などによる恐喝事件、脅迫事件などでお礼参りを防止するために、設けられている規定となります。

(6)住所不定、氏名不詳の場合

氏名と住所のいずれか一方がわからない場合には、住所不定に当たることとなります。
形式的に住居が存在していたとしても、賃貸借契約が解除されて、既に住居として実体が失われている場合には、住所不定とされる場合があります。

(7)保釈保証金の納付をすることの期待ができない場合

保釈を行うためには、逃亡を防止するため、保釈保証金を納付することが必要となります。
日本保釈支援協会などから資金を用意をすることがありえますが、被告人の関係者が協会に保証金の建て替えを申入れ、審査を行い、立替可能となった場合に保釈金の準備が可能となります。

保釈請求を行うにあたっては、事実上は保釈保証金をどのように用意を行うのかの見込みを聞かれる場合があり、保釈保証金の納付ができなければ保釈許可決定ができないこととなります。

(8)裁量保釈が認められない場合

裁量保釈としては、権利保釈の除外事由がある場合にも、裁量によって保釈が許可される場合があります。

裁判所が適当と認める場合では、被告人の釈放を相当とする特別の事情があるかどうかによって判断がなされます。事件の内容、被告人の性格、前科、前歴、身元引受人との関係などによって変わってくることとなります。

判決によって執行猶予判決が出される可能性が高い場合、社会的事情から保釈の必要性が高い場合には、裁量により保釈が認められる場合があります。

3 まとめ

保釈については、要件に該当する場合には権利として認められる場合があります。具体的事情を踏まえて、保釈についての相談をされていくとよいでしょう。

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