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【大阪天王寺の弁護士が解説】離婚したいと言われたら?突然離婚を求められた場合

離婚したいと言われたら?突然離婚を求められた場合の対処法

(想定事例)


仕事から帰ると突然、夫から離婚をしたいといわれました?離婚届を渡され、何が何だかわかりません。この後どうなっていくのでしょうか?不安でたまりません。今後どうしたらよいのでしょうか。

弁護士の回答

① まず落ち着いて冷静な判断をするように時間を設けましょう。
② 夫が「離婚したい」と言われている本心は何なのかを聞き取りましょう。
③ 実家同士での家族会議や家庭裁判所での夫婦関係円満調停などを活用しましょう。
④ 夫の離婚の意思が固い場合には、離婚の流れとどのような段階で離婚をするのかを考えましょう。
⑤ 弁護士を入れるべきか案件かどうかを考えておきましょう。

1 「離婚したい」と言われて、まずはご自身が落ち着かれることが大切です。

冷静に判断ができないまま離婚届にサインをしてしまうとのちに無効だったということは難しいこととなります。
ご実家、ご友人やカウンセラーなど信頼できる第三者に相談してからでもおそくありません。
突然のことで、冷静な判断ができないまま話し合いを進めることは禁物です。
自分はどうしたいのか、相手はどうしようとしているのか、客観的にみてどのような対応をすることが適切なのかを検討を行いましょう。

2 夫が「離婚したい」と言われている本心は何なのかを聞き取りましょう。


人の気持ちを外から知ることはとても難しいことです。
そこで、夫の本心をよく確認することから始めましょう。
夫が突然「離婚をしたい」といってきたとしても、原因や経緯が存在するはずです。
これまでの夫婦間の出来事から原因を推測することはできるかもしれませんが、あくまでこちら側の視点で想像することしかできません。
夫婦の生活においてどこが問題点であったのかを話すことをきちんと確認しておくことが大切でしょう。

3 話し合いの場面を設けましょう

お互いの実家を交えて、家族会議といった形で話し合いをすることもあり得ます。
こちらが夫に対して、離婚をしたいとの気持ちがあるのか、夫婦を続けたいとの気持ちがあるのかにもよりますが、夫婦生活をやり直していくためには、夫婦でルールなどを決めて、関係の回復を図るといったこともあり得ます。

家庭裁判所において、夫婦関係円満調整の申立てを行うこと、夫婦関係の円満とする調停もあります。もっとも、家庭裁判所という公的な機関を使う手続きであるため、かえって、夫婦関係の悪化を招くなどの危険性もあります。

ご家族での話し合いが難しい場合などに、夫婦関係円満調停の利用を考えるとよいでしょう。

(1)夫婦関係円満調停の内容とは

家庭裁判所では、夫婦関係の解決として離婚などの調停を行う離婚調停が想像されます。
しかし、家庭裁判所では、夫婦間のわだかまりをなくして円満に暮らしていくための適切な助言や指導を求め、夫婦関係円満の調停を求める手段が存在します。

調停とは、それぞれ別室で調停委員がそれぞれの意見を聞き、話し合いの間に立って、話し合いを進める手続きです。

夫婦関係を円満とするために、経済的、精神的、心理的な側面などを合わせて生活環境をすること、必要がある事件では、家庭裁判所調査官が聞き取りや事実の調査を行う場合があるとされています。

裁判所という公的な機関を通じた手続きであり、当事者で調停の合意をした内容は、確定判決と同一の効力を有するとされています(家事事件手続法268条1項)が、

夫婦関係を継続するうえで夫婦での約束事を調停条項に記載をしたとしても、裁判所で強制的に実現することが望ましい条項を設けることができず、強制執行の申立て(義務を履行しない場合に家庭裁判所が強制的に内容を実現すること)を行うなどはできないことが多いでしょう。家庭裁判所からの履行勧告を行うといった程度となります(家事事件手続法289条、家事事件手続規則139条)。

もっとも、家庭裁判所という公的機関で合意した内容に反することには心理的に厳しいところがありますので、

(2)申立ての手続き

相手方の住所地の家庭裁判所に、申立書、戸籍謄本、収入印紙、予納郵券を収めて、申立てを行うこととなります。

申立権者:夫 又は 妻
申立て先:相手方の住所地の家庭裁判所 又は 当事者が合意で定める家庭裁判所(家事事件手続法245条)
申立てに必要な費用:収入印紙    1200円
          連絡用郵便切手 各裁判所によって異なります。
申立書:夫婦関係調整調停(円満)、夫婦の戸籍謄本

申立書の趣旨には、申立人と相手方の子人関係を円満に調整するとの調停を求めるなどと記載し、申立ての理由、調停での求めていく事項を記載することとなるでしょう。
調停事項としては、夫婦関係について円満にしていくための諸所のルール、家事や育児に関すること、婚姻費用などに関することなどを定めることが多いでしょう。

4 夫の離婚の意思が固い場合には、離婚の流れとどのような段階で離婚をするのかを考えましょう。

(1)夫が離婚の意思を翻意することはあるか。

離婚をしたいといったことが、相互の譲り合いによって修正していくことができる場合があります。
そうはいっても、残念ながら、離婚をしたいという意思が固い場合に、これを翻意させることは難しい場合があります。

そこで、いつの時点、どのような条件で、離婚をするのか、当分の間別居をするのかが最も良い選択を行っていくのかを離婚の原因とともに考えていくことが大切となるでしょう。

(2)離婚の種類とは

離婚は、突然どちらかが離婚をしたいと思ってもできるわけではありません。
離婚には、大きく分けて、
① 協議離婚:当事者で離婚の合意をして、離婚届を出す形での離婚です。
圧倒的多くの離婚は、協議離婚によって成立します。
もっとも、当時者の合意が必要であるため、片方が離婚をしたいといっても、拒否がなされた場合には離婚をすることができません。
もし、相手方が一方的に離婚届を出してしまうおそれがある場合には、不受理申請を出すなどをしておきましょう。

② 調停離婚:協議離婚で離婚ができない場合には、家庭裁判所に離婚の調停の申立てを行い、調停委員を間に入れて、家庭裁判所での話し合いで離婚を行うことがあります。
離婚に関する裁判を行う場合には、原則としては、調停前置主義のもと離婚調停をしなければならないこととなっています(家事事件手続法257条1項)>
離婚の調停では、家庭裁判所は、1人の裁判官と2人以上の家事調停委員が調停委員会を構成し、調停委員が別室でそれぞれ話を聞いて、離婚の同意、親権、養育費、面会交流、財産分与、慰謝料、年金分割、婚姻費用などを話し合っていくこととなります。
調停は、あくまで話し合いでの合意となるため、当事者で合意が成立しない場合には、不成立などとなってしまいます。
離婚に合意をしており、わずかな条件の食い違いといった場合には、審判により離婚条件を定める場合もあり得ます。

③ 裁判離婚:離婚調停でも離婚ができない場合には、離婚訴訟が提起されることとなります。
離婚訴訟においては、離婚の可否の決定、親権者の指定、子の監護に関する処分、財産分与に関する処分、年金分割の標準報酬等按分割合に関する処分、損害賠償などの附帯処分を行うこととなります。
裁判離婚により離婚を認容する判決が出された場合には、離婚を拒否していたとしても、離婚が認められることとなります。

(3)離婚原因について

裁判離婚については、「離婚原因」が必要となります。

離婚原因(民法770条)が定められており、離婚原因がなければ裁判での離婚請求は認められないこととなります。

① 不貞行為:配偶者のある者が自由な意思にもとづいて配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます。
② 悪意の遺棄:正当な理由のない同居・協力・扶助義務を放棄することをいいます。
③ 3年以上の生死不明:生死不明という客観的状況が3年間継続していることをいいます。
④ 強度の精神病:単に精神病に罹患をしていることのみならず、強度のもので回復が困難であることをいいます。
もっとも、病者の今後の療養、生活等についてできる限りの具体的な方策を講じて、今後見込みがついたうえでなければ、離婚請求は許されないこととなります。
⑤ 婚姻を継続し難い重大な事由:婚姻共同生活が破綻し、その修復が著しく困難な事由をいいます。

本件のように、突然、離婚をしたいといった場合には、離婚原因を必ずしも満たさない可能性があるでしょう。
そのため、夫側の立場からすると、こちら側が離婚に合意をしなければ容易には離婚ができない立場となります。
離婚原因がない場合には、裁判上での離婚ができないため、長期間の別居期間を設けるなど婚姻を継続し難い重大な事情が生じるまで待たなければなりません。
したがって、離婚に合意をする対価として、どのような条件、どのような時期であれば、離婚をするのかを検討していくこととなるでしょう。

一方で、残念ながら、長期間の別居などの期間があった場合には、いずれは離婚裁判により離婚が認められることがある点には注意が必要です。
こちらが離婚を拒否したいと思っていても、長期間の別居などにより最終的には離婚が認められてしまうことから、いつの段階で離婚をするのかを考えておくことが大切です。

5 離婚に当たって弁護士を入れるべきか

どのような案件の場合には、離婚において弁護士を入れるべきなのでしょうか。

① 話し合いでの解決が難しい場合

当事者での話し合いでの解決が難しい場合には、弁護士などの第三者を入れるべきものといえるでしょう。

② 財産分与、養育費の支払いなどお金の支払が必要な場合

財産分与や養育費の支払いがある場合には、財産の金額を算定し、支払われない場合には強制執行を行っていくことがあり得ます。
養育費については将来にわたっての支払いになるため、不払いの場合の対応を準備するため、弁護士を入れて離婚への準備を行うとよいでしょう。

③ 法的に妥当な解決を行いたい場合

協議離婚ではお互いに合意をすれば、公序良俗に反しない限りでは、当事者の合意が優先されることがあります。
そのため、財産分与をせずに離婚をするといったことも可能となります。
しかし、法的に妥当でない合意によって解決を行った場合、のちに取得できるものができなかったと感情的にもめ事となってしまう危険性があります。
しっかり、法的に妥当な結論において解決を行うことが将来の紛争を回避するうえでも重要となるでしょう。

6 まとめ


離婚をしたいといわれて、ご自身での対応が困難な場合には、弁護士にご依頼を検討されるとよいでしょう。
天王寺総合法律事務所では、大阪の方に向けて、離婚法務を取り扱っておりますので、離婚問題で弁護士をお探しの場合には、ぜひお気軽にお問合せください。

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